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『わがままいっぱいの国』 第7章 女王さまのお祭り

2012.01.16 (Mon)

第七章  女王さまのお祭り


 女王さまは、電球のフィラメントでつくったドレスを着ていました。それで、このフィラメントに光がすばやく走って、いろいろな絵もようはたえずかわりました。
 そこで女王さまのからだには、火の文字で『三万六千のわがまま』と書いてあるのが読みとれるかと思うと、からだぜんたいが光りかがやく泉のように見えることもありました。また、野原にふきすさぶあらしのように見えることもありました。
 「女王さまって、まるでエッフェルとうみたいだな。」
とオリビエがいいました。
 「でも、女王さまのお客のもてなしかたってへんね。」
とミッシェールがいいました。
 まったく、女王さまは右へ走るかと思うと、左へ走り、いつおわるとも知れない文字を描きます。ほんの少しの間もじっとしていません。それはだれにもまねできません。
 あつまった子どもたちのなかには、ぶつかりあったり、とっくみあいをしたりしているものがいました。
 一団のオーケストラがいましたが、それは十二人の楽士(音楽を演そうするひと)たちからなり、楽士ひとりひとりはかってにじぶんのすきな音楽をかなでていました。まるで、だれもきき手がいないみたいな演そうのしかたでした。
 それでも、ミッシェールは、『月の光』という曲の、でだしの三つの音ぷと、フランス国歌『マルセーエズ』の一小節を、ききわけました。
 「めちゃめちゃの音楽ね!」
とミッシェールがエリアーヌにいいました。
 すると、ジェラルドがあいづちをうちました。
 「ほんとだね。これじゃ、おおきいねえさんにきてもらって、きまりをつけてもらわなくっちゃあ。」 かたすみに、三人の少女がいました。かの女たちは絵に描かれた人物のまねをしていました。そこで、ミッシェールたちはその少女たちがだれのまねをしているのか見分けようとしました。
 「男のひとかしら?」とミッシェールがいいました。
 「そうよ。」とひとりの少女がいいました。
 「生きているの?」
 「そうよ。」とべつの少女が答えました。
 「パリにいるひと?」
 「そうよ。」と三番めの少女が口をききました。
 「権力をもっているひと?」
 「とても権力をもってるわ。」
と四番めの少女がうなずきました。
 「じゃあ、フランス共和国の大統領でしょう?」
とミッシェールはたずねました。
 「ちがうわ。ジャンヌ・ダルクよ。」(ジャンヌダルクはむかしフランスで祖国の「ためにたたかった女のひと」と五番めの少女がいいました。
 思わずミッシェールは大声をあげてしまいました。
 「なんですって!さっきあなたは、男のひとだっていったじゃないの。」
 「とにかく、この人であってほしいなあと思う人にしておけばいいのよ。」
とその少女が答えました。
 ミッシェールはエリアーヌに小声でささやきました。
 「ねえ、わたしたち五人でなにかしてあそばない?」
 五人の子どもたちは、階だんをいくつものぼっていきました。三階までいくと、あいたへやがありました。へやのなかにはいると、みんなはひじかけいすにすわりました。
 オリビエがたずねました。
 「なにをするんだい?」
 ミッシェールが答えました。
 「わたし、いい考えがあるの。宮殿でみんなであそぶことにしたら?」
 「うん!そりゃいい!」
とオリビエが手をたたきながらいいました。
 そして、すぐさまかれはしゃべりはじめました。
 「ファラオ王はゆめを見ていました・・・・・・まるで、ナイル川のほとりにいるような気持ちでした・・・・・・」
 たちまち、ミッシェールがどなりつけました。
 「おだまりったら、オリビエ。」
 すると、こんどはジェラルドが口をひらきました。
 「火山とは、ふん火口と呼ばれる口からほのおやよう岩をふきだす山のことである。」
 またも、ミッシェールが大声をはりあげました。
 「おだまり、ジェラルド。あんたにいろいろな質問をしてあげるわ。ここでいちばんえらいのは、わたしなんだから。」
 すると、オデットがこう主張しました。
 「ちがうわ。いちばんえらいのは、わたしよ。」
 「なぜ?」
とミッシェールがたずねました。
 「だってそうしたいんだもの。」
とオデットが答えました。
 ところが、ほかの四人はだまってはいません。口口にさけび声をあげてオデットにいいました。
 「だめよ!わたしたちのあいだで、きまりをつくるのよ。ミッシェールがいちばんえらいってことにしようよ。だから、さあ、ミッシェール、わたしたちになにか質問してごらんなさいな。」
 ミッシェールが質問をしはじめました。
  「ではジェラルドにきくわ。ゴール人をローマ人からまもった人はだれ?」
 「シーザーさ。」とジェラルドが答えました。
 そのとき、「よくできました。」
といったのは、まさしく、まほうの国の女王さまでした。女王さまはミッシェールたちのうしろにたっていたのでした。
 つづいて、ミッシェールが質問しました。
 「じゃあ、エリアーヌにきくわよ。ルイ十三世のおとうさんはだれ?」
 「ルイ十二世よ。」とエリアーヌが答えました。
 「よくできました。」と、またまほうの国の女王さまがいいました。
 このとき、地面たたきさんがへやにはいってきました。
 すると、女王さまがこういいました。
 「地面たたきさんになにかたずねてごらんなさい。」
 ところが、地面たたきさんはポケットからボールをとりだすと、それをじぶんの目の前に置きました。
 「だめ!」
と五人の子どもたちが、おびえて手を前にかざしながらさけびました。
 「なぜ?地面たたきさんにボールをたたかせてあげなさいよ。このひともわたしのお客さまよ。」
と女王さまがいいました。
 ミッシェールもまけずにいいました。
 「でも、このひとはわたしたちのお客さまじゃないわ。」というが早いか、ミッシェールは地面たたきさんのボールをとりあげてしまいました。
 「じゃあ、わしになにか質問してごらん。」と地面たたきさんがいいました。
 ミッシェールは、しばらくじっと考えこんでいましたが、とうとう、こういう質問をだしました。
 「イギリスの首都はどこ?」地面たたきさんが「エジンバラさ。」と答えました。
 「よくできました。」と女王さまがいいました。
 それから一時間ばかりしてから、子どもたちは、女王さまに「お気のままに」といいました。そして、ミッシェールが女王さまに、こうたずねました。
 「さて、女王陛下、わたしたちはどこでねたらよろしいのでしょうか?」
 「すきなところでねなさいな。」と女王さまがいいました。

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