• « 
  • 10 
  • 11 
  • 12 
  • 13 
  • 14 
  • 15 
  • 16 
  • 17 
  • 18 
  • 19 
  • 20 
  • 21 
  • 22 
  • 23 
  • 24 
  • 25 
  • 26 
  • 27 
  • 28 
  • 29 
  • 30 
  • »

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『わがままいっぱいの国』 第1章 ミッシェール

2012.01.16 (Mon)

この児童文学は私がちょうど小学4年生くらいのときに読んだものです。とても気に入っていた本で何回も読み直したのを覚えています。おとなになって自分の子供に読ませたいと思ったときにこの本を手に入れようと思っても売っていません。
そこでフェリシモの「赤木かんこさん」という本の探偵さんに調べていただきました。廃刊になっていました。
とても悲しいけど諦めきれず、でも日々の生活に追われているうちに少し忘れかけていました。
が、また思い出して今度はネットを駆使して検索しました。そして、あるかたのHPにたどり着きました。その方にメールを出して聞いてみると埼玉県の図書館で貸し出しているとのこと。そこでそちらの図書館に問い合わせました。
そこでのお返事は、「送ってもいいですが、個人宛には送れない」とのことで、「奈良県立図書館でとりあえず聞いてください」とのことでした。
喜び勇んで県立図書館へ。結局埼玉ではなく京都の図書館から送っていただくことになりました。当然送料もこちら持ちです。そのうえ、かなり痛んでいるので丁寧に取り扱ってくださいとのお達し。
はたして手に入った本はかなり外れかけてボロボロになっていました。それを大事に取り扱いそのままをワードで打ち直して、CDに保存しました。挿絵までは再現できなかったのが残念。
関わってくださったたくさんの方に感謝します^^

WEB上でこのような形で公開するのは本当はなにかにひっかかるのでしょうが、もしこの本を読みたいと思ってくださる方の役にたてば・・・と思います。でも、もし不都合があれば連絡ください。

今までもHPで載せていたのですが、1年に1回くらい「読めて嬉しかった」とメールをくださる方がいます。
HPは私になんらかの不幸があって料金を払えない場合消失してしまうので、
ブログに載せておこうときめました。


第一章  ミッシェール


 「ファラオ王はゆめを見ていました。まるで、ナイル川のほとりにいるようなここちでした・・・・・・ふとった牛が七頭、川から出てきました・・・・・・」
と、オリビエが声をはりあげました。
 すると、ミッシェールが、こういいました。
 「おだまり、オリビエ。わたしぐう話(ためになるたとえ話)をおぼえようとしてるのよ。あんたにしゃべられると、読んでることがわからなくなるわ。」
 そして、ミッシェールは、また本を読みはじめました。
 「・・・・・・くちばしで、チーズをひときれくわえました。」
 つぎに、ジェラルドが声をはりあげました。
 「砂ばくは、草木のはえていない土地がはてしなくひろがっているところです・・・・・・火山は、ふん火口とよばれる口から、ほのおとよう岩をふきだしている山のことです・・・・・・。」
 すると、ミッシェールがまたさけびました。
 「おだまりったら、ジェラルド。わたし、ぐう話をおぼえてるんだって、いったでしょ。『・・・・・・くちばしで、チーズをひときれくわえて・・・・・・』」
 ああ、だめです。あす、ミッシェールは、授業のとき、ぐう話を話すことができないでしょう。そして、ビュバール先生は、とてもおおこりになるにちがいありません。ほんとうに、このふたりの少年は、がまんならない子どもたちです。おまけに、ミッシェールは、ぐう話をおぼえようという気持ちが、あまりありませんでした。それよりも、引き出しのなかを整とんしていなあ、と思っていました。ミッシェールは、布きれをたたんだり、ふるいメニューやプログラムをよりわけたりしたかったのです。
そのとき、おねえさんがきて、子どもたちにいいました。
 「さあ、おやすみなさい。」
 でも、オリビエは、あいかわらず読みつづけています。
 「ファラオ王はゆめを見ていました。
 まるで、ナイル川のほとにいるようなここちでした・・・・・・。」
 ジェラルドも、
 「砂ばくは、草木のはえていない土地が・・・・・・。」
 ミッシェールも、
 「くちばしで、チーズをひときれ・・・・・・。」
 おねえさんが、両手をならしながら、さけびました。
 「三人とも、おやすみったら。さあ、いそいで。」
 でも、ミッシェールはふまんです。おねえさんに口ごたえをしました。
 「おねえさん、わたし、ねむくないの。ねたくないのよ。」
 しかし、おねえさんはゆるしませんでした。
 「わがままいうんじゃないの。さ、ねなさい・・・・・・。」
 ミッシェールは、かなしそうに、服をぬぎました。
 思えば、たいくつな一日でした。夕はんのまえに、ミッシェールは、人形に着せてやるドレスをつくるかわりに、年とったおばさんにあてて、お礼の手紙を書かなければなりませんでした。
 夕はんのあいだも、ミッシェールは、とてもたのしいと思ったお話をしたかったのですが、お友だちをしょうたいしていたパパは、ミッシェールに、静かにしておいでといいつけて、選挙のお話ばかりしていました。
 夕ごはんがすむと、ミッシェールは、ぐう話をおぼえたいと思ったのですが、こんどは、ふたりのおとうとが、じゃまをしました。 そして、今また、ミッシェールは、むりやり、ベッドへ追いやられてしまったのです。もし、おとなが、こんなふうに命令されたら、きっとはらを立てたでしょうに。
 ミッシェールは、ベッドに横になりながら、こう思いました。
 (ああ! なんでも、わがままができる国があったら、いいのになあ・・・・・・)
 それでもひやりとつめたいまくらに頭をあてると、ミッシェールはなんとなく、たのしい気分になってきました。すると、あすの授業のことを考えても、すこしもこわくなくなりました。
 でも、きっと、イボンヌ・ルフェーブルは、ぐう話をよくおぼえていて書き取りでも満点をとるでしょう。イボンヌがいつも一番になるってことは、やはり、しゃくにさわることでした。
 ミッシェールだって、よく勉強するのですが、ときどき、ぼんやりしていることがあるのです。それに、つい、引き出しのなかを整とんしたくなり、勉強などは、そっちのけにしてしまうのでした。
 ミッシェールは、ながいあいだ、目をあけていました。たぶん、十分くらいだったでしょう。それから、ひとすじの光が、パパとママのへやから、ドアの下をぬけて、さしこんできました。その光はふとくなり、やがて太陽になりました。
 と同時に、ベッドの白いかけぶとんが砂におおわれてしまいました。気づいてみると、ミッシェールは、草木が一本もはえていない、広い広い土地のなかで、ひとりぼっちで立っていました。
 (あら! これ、砂ばくじゃないの!)
とミッシェールは思いました。そして、まわりを見まわしました。
 見わたすかぎり、目につくものをいえば、かなり高い砂の山ばかりでした。そこは、ま昼の太陽にてらされた岸べのようでしたが、海はありませんでした。白くかがやいている砂は、かわいていて、こねることができません。それに、ミッシェールは、バケツもシャベルももっていませんでした。
 ミッシェールは考えました。
  (ここから、できるだけ早くでなきゃならないわ。でないと、わたし、すぐにおなかがすき、のどもかわいてしまう。もっと向こうにいけば、きっと道路ひょうしきが見つかるわ)
 十五分も歩くと、遠くのほうに砂丘が見えてきました。その砂丘はてっぺんがへこんでいて、煙をふきだしていました。
 ミッシェールはさけびました。
 「あら、火山だわ! ふん火口っていう口もついてる。」
 近づいてみると、もえるようなよう岩が、山のなかほどになにか字を描いているのが見えました。ミッシェールは、それを一字一字読みました。それはつぎのように書いてありました。


 なんでもわがままのできる国
     ―――――・――――
          まほうの果じゅ園
              二四六六キル


ミッシェールはびっくりして、心のなかでつぶやきました。
 (キルだって? これ、キロメートルのことかしら、それともキログラムのことかしら? これじゃ、わからないな・・・・・・せめて、おまわりさんでも見つかればいいんだがなあ・・・・・・)
 それまで、ミッシェールが道にまよったりしたとき、おとなはいつも、おまわりさんにききなさい、といったものでした。
 さて、そんなことを胸のなかでつぶやいていると、もの音がきこえてきて、ひとりの見なれない男がやってくるのが目にはいりました。男は両うでを前につきだし、手のひらを立てて、歩いています。とても、細長いぼうしを頭にのせていますが、そのぼうしはまるで石でつくってあるみたいでした。男はいつも顔をそむけていましたので、横顔しか見られませんでした。
 ミッシェールが近よると、男がこうつぶやいているのがきこえました。
 「白いにわとりが三羽と黒いにわとりが三羽。ああ! なんていうゆめだ! ああ! なんていうゆめだろう!」
 「おじさん!」
とミッシェールは大声でよびかけました。
 すると、その年とった男がおごそかな声でこう答えました。
 「わしのことは、ファラオ王とよびなさい。」
 「では、ファラオ王さま。わたし、道にまよってしまったのです。」
 男が肩をすくめて、こういいました。
 「ここから五分歩いていったところに、ラクダののり場がある・・・・・・そこに、ふとったラクダが七頭と、やせたラクダが七頭いる・・・・・・おまえがわしの見たゆめの説明をしてくれるのなら、ラクダのいるところまで案内してやってもいい。」
 「どんなゆめを見たの?」
とミッシェールは、火山のふもとにこしをおろしながら、おそるおそるたずねました。
 「それはこうだ。まず、わしの宮殿にある、ピンク色の大理石の大階だんが見えたのだ・・・・・・。」
 「大理石ですって? それ、なんですか?」
とミッシェールがたずねました。
 ファラオ王がまた肩をすくめて、答えました。
 「石のことさ。でも、そんな質問をしてはいかん。おまえがわしに説明する役なんだからな・・・・・・そこで、この大階だんの上に白いニワトリが三羽いるのが目にはいったんだ。そいつら、ぴょんぴょんとびながら歩き、とうとう階だんのてっぺんまでのぼりつめると、わしの宮殿のなかにはいってきてしまった・・・・・・というのが、わしの見たゆめなのさ。このゆめには、どんな意味があるのだろうね?」
 ミッシェールは、こんなことをきかれて、すっかりこまってしまいました。しばらく考えこんでしまいました。ミッシェールの考えでは、こんなゆめはなんの意味もなかったのですが、それをファラオ王にいう勇気はありませんでした。なぜなら、そんなことをいって、ファラオ王をおこらせてはたいへんだと思ったからです。
 そこでミッシェールは、なんとかファラオ王をよろこばせてやる方法はないものか、と思いました。
 とうとう、ミッシェールはこういいました。
 「それはね、おじさんにまず三人の白い子どもができて、それから三人の黒い子どもができるっていうことだと思うわ。」
 「なんだって?・・・・・・あ、そうか、ありがとう。」
とファラオ王がいいました。なにか大きな心配ごとがなくなったみたいなようすでした。
 そしてファラオ王は、ミッシエールを案内して、ある砂の山をぐるりとまわると、左のほうにのびている小道を歩いていきました。
 歩きながら、ファラオ王はミッシェールにこうたずねました。
 「ねえ、今、わしたちはゆめを見ているんだろうかね?」
 「さあ、わたしにはわからないわ。わかっていたら、すぐゆめからさめて、それからもうゆめなんか見ないわよ。」
 「なんだって?あ、そうか、それはありがとう。」
 まもなく、ミッシェールは、ラクダのむれがじゅずつなぎに長い列をつくって、うずくまっているのをみとめました。
 「ずいぶん年とってるし、それにずいぶんきたないラクダね。でも、ぎょ者はどこにいるのかしら?」
 「ぎょ者だって?・・・・・・おまえがぎょ者になるのだよ。」
 「じゃあ、もし、わたしがこなかったら、ラクダたちはどうするの?」
 「そのときは、ぎょ者などいらないだろうね。さ、列のいちばん先頭にいるやつのたずなをとりなさい。ラクダってやつはとてもしっと深いから、ならんでる順にのってやらないとだめなんだ。背なかにのったら、右の耳を下にさげておやり。それで、おまえにのるよっていう合図になる。それから、『まほうの果じゅ園へいけ!』というがよい。」
 「まほうの果じゅ園へいくよりか、おうちにかえったほうがいいわ。」
とミッシェールはいいました。
 でも、ファラオ王はききませんでした。
 「いや、いや。まほうの果じゅ園へいったほうがよい。それは、すばらしい国でな。したいと思うことはどんなことでもできる国なんだ。」
 「したいと思うことはなんでもできるんですって?一日じゅう、あそんでいたっていいの?マロングラッセをつづけざまにいくつもたべていいの?夜なかにねてもいいの?」
 「そうだとも。したいことはなんだってできるのさ。」
 それからファラオ王は、悲しそうにそっとこういいました。
 「だから、まほうの果じゅ園では、みんなゆめを見ないんだよ。」
 「とにかく、まほうの果じゅ園へいってみることにするわ。」
とミッシェールはいいました。
 ミッシェールは列の先頭のラクダにのると、前にかがみこんで、ラクダの右の耳を下にさげてやりました。でも、その耳は土によごれてかさかさになっているので、なかなか下にさがりませんでした。
 それでも、やっと下にさげてやってから、ミッシェールは、いわれたとおりにさけびました。
 「まほうの果じゅ園へいけ!」
 すると、ラクダはようやく立ちあがり、やがてのろのろと歩きだしました。そのとき、ファラオ王が、
 「みどりのトラが四頭に、青いトラが四頭・・・・・・。」
とつぶやくのがミッシェールの耳にきこえました。
 ミッシェールは、
(また、へんなゆめの説明をするなんて、まっぴらだわ。)
と思いました。
 でも、さいわい、ラクダのスピードは早くなり、ミッシェールはファラオ王を見うしなってしまいました。それにミッシェールは、いろいろなことを考える余ゆうがありませんでした。なぜなら、ラクダのくらの上はとてもすわりごこちが悪く、今にも落ちそうだったからです。
 ラクダが走るにつれて、背なかのミッシェールは、まるで海の波にゆすぶられる船のように、上にもちあげられたり、下におろされたりしました。
 今、ミッシェールが走っている土地はものがなしく、まわりには、見わたすかぎり、白い砂が光っているだけでした。

<< 前の記事へ | HOME | 次の記事へ >>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 | HOME | 

お友達&お散歩ブログ

プロフィール

まみこ

Author:まみこ
旦那(犬夜叉)、社会人のさぁや、大学生のみさ姫、姑の5人暮らし。
HOME

現在の閲覧者数:

月別アーカイブ

まみこ御用達SHOP

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。