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今日のわたし

2012.01.31 (Tue)

午前中は中学校の校長先生とパワーポイントの作成。
というか、PPTは作っておいてくれるので、各学校から届いた資料を見て、構想を練ってきた。
プレゼンまでに2回は打ち合わせが必要かな。

学校へ行った時校長室が使用されてたので、私は職員室の教頭先生の机で待機。
そう、職員室のお誕生日席みたいなとこで(笑)。
各先生方が挨拶してってくださった(爆)。

終わったのは12時。
それからイトヨーへ。
ボディヒーターのポイントが、靴下交換できるまで溜まってて、
娘っ子たち用にタイツ2足組と交換してきた。

100円ショップ行って、本屋行って、Loft行って~。
ご飯は13時半。

それからあとは若干作業~。

そうそう、コーディネーターの名刺を作らなくちゃいけないんだってさー。
とりあえずは中学校のパソコンで作ってもらうように頼んできたんだけど、
次回からは自分でつくろ~♪っと。
面白いソフト見つけたのさ^^v

ラベル屋さん

可愛い名刺にしちゃる!

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東北みやげ2

2012.01.28 (Sat)

かもめの玉子 001

美味しい~~~♪

これはミニサイズ。大きかったらちょっと甘さを持てあますかもしれない。
甘さが控えめなのは、こないだのお土産の「萩の月」のほうかな。

う~ん、美味しいものがいっぱいあるな、東北♪


さて、今日は朝からみさ姫を美容院へ。カットと眉カット。
昼からは部活で出かけました。

私とさぁやは買い物へ。
お姑さんの掃除機が壊れたのでミドリへ。
晩御飯はハッシュドビーフ。
私は久々に、いつもの仲間と飲み会です。
といっても、私は運転手なので飲みませんが、メインはおしゃべりなので全然OK♪
楽しんできま~す^^v


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1月のドライフラワー教室

2012.01.27 (Fri)

1月のドライフラワー 001

フレームの中に写真を入れても良しってことなのですが、
今回は皆さんコラージュ風に^^
シンプルに可愛く仕上がりました♪


仙台の犬夜叉から入居日が決まったとメール。
引っ越しは来週末になりそうね。
一人で全部やらんとアカンから、大変そう。

実家の母も叔母も、姑も、
「行って色々準備したげやな!」
って言うんだけど、なんたって交通費が10万近くになるし、私のほうが仙台不慣れだし。
行くのに必要な金額ほど役に立たないから、パスします^^;
犬夜叉も
「どないかなるで」
って言うし。
どうしようもなく困ってから行くことにしよう(苦笑)

仙台周辺には、賄い付きのパンションっていう物件があるらしく。
なので、朝夕食は心配なし。
土日のご飯は賄い無いけど、外食とコンビニあれば、どないかなるだろうしね。
犬夜叉の家事力も上がるかも~(笑)

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スマホはiPod代わり♪

2012.01.26 (Thu)

携帯プレーヤーってものを家族の中で持ってないのは「私だけ」でございました。
けど、スマホにしてその生活も変わった~~~♪
iTunesを元々みさ姫のためにPCにダウンロードしてあったので、
iSyncr WiFi アドオンというのを99円で購入して同期すれば、
ライブラリの曲がスマホで聴ける♪
なんて素敵なの~~~。
嵐がいつも一緒

さて、スマホでイヤホンで音楽を聴くのはどうするのかしら?
ちょっと検索してきます(笑)


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トールペイント途中経過

2012.01.24 (Tue)

20120123 005

和の八角入れ物です。
桜を描くんだけど、斜めったとこが描きにくいったらありゃしない(笑)
でも、いい感じのグラデーションにもできたし、
来月の完成を頑張ります♪


さて、今日は日本どこでもけっこう雪がチラついてるのかな?
奈良も時折吹雪のように。
でも、全然積もりません。
そのほうが有り難いけど、みさ姫は「ちょっと積もってほしい」と子供のようなことを^^;
学校へ行くの大変やのにー(笑)

午前は、ルーティン家事を終えたあと、ただひたすらスマホのカスタマイズに努めておりました。
だいぶ思い通りになってきたかなー。
やっぱ、mixiやツイッターはものすごく入りやすくて便利!
もちろん画面も綺麗♪
メールは、まだ長いのは打つ気がしません~、無理。
短いのならサクサク返せたり、書き込みができたりするようになった。

mixiに至っては、コメントを音声入力できたりするので、すんごく面白い~♪
メモも音声でOK。
カレンダーはgoogleカレンダーと同期して入力可能だし。
ゲームはまだしてません^^
それやりだすと、電池がやばそうな気がする(笑)


午後は、コーディネーターのお仕事で、市役所へ。
1時間半ほど会議して終了。
2月は忙しそうー。

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my smartphone

2012.01.23 (Mon)

20120123 003
20日に出たばかりの女性向けスマホ。
オバチャンにはちょっと関係ない機能もたくさんだけど、
mixiやtwitterにはものすごくアクセスが簡単^^

とりあえず、電話とメールとできるようになった。
住所録、グループ分けもできた。
まだまだカスタマイズしたいこといっぱいで、頭の中ぐるぐる~(笑)


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業務連絡

2012.01.22 (Sun)

創作料理「人」JIN、土曜日18時、4名で。
明日にでも電話してみます。
詳細は後ほど^^
関係者各位よろしくお願いします♪


話は変わって、昨日一昨日の丸1日お出かけ連チャンはきつかった、体力的に。
昨夜は11時半までに就寝したもの(笑)
いつもより2時間も早い。
朝起きたのも8時~。
それでも、体が鉛のように重かったどす。
みさ姫の部活が無ければもっと寝てたわ。

でも、充実した2日間だったので、精神的な疲れは無し。
劇団の方も、私たちスタッフもよく頑張りました。

その中でも、私とCさんは、本当に頑張ったと思う。←自画自賛(笑)
けど、それも家族の助けがあってこそ。
Cさんとこも同居で、お姑さんは現在腰を悪くしていて、トイレもつれていってる状態。
金曜はご主人が年休を取って、自分の母の面倒を見てはったそうな。
土曜も丸1日。
普段は単身赴任で妻にまかせっきりだったので、一人で老人介護はけっこうプレッシャーだったみたいです(笑)
娘さんは大学受験なので今は大事な時期。

私は金曜はさぁやが大学が休みなので、
乾燥機までかけた洗濯物をたたんだり、生協の配達に行ってくれたり。
土曜も同じく家事を頑張ってもらい、帰ったときにはキッチンは綺麗。
夕食はお鍋の材料を買ってあったので、部活帰りのみさ姫が一緒に刻んだりしてくれた。

ちっぽけな地域の、たった1個のイベントだけど、
用意がどれだけ大変で、そのために色々な人間が普段と違った容量の仕事をこなしているか、実感できたわ。
会場をお借りした大和ハウスさんのスタッフさんにも感謝!
もちろん料金はお支払しているのだけど、それ以上のことをやってくださって、
「若い子の勉強になりました。」と言ってくださって。
こうやって知り合いが増えていくのは私の財産かもなー。

こういうイベントが地域の活性化や、教育力の向上にどう役立つのか、ちっともさっぱり分からないのが、いまいち遣り甲斐の無いことなんだけどね。
集客や周知徹底が一番大変です。マジで。
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IYのハッピーデー

2012.01.18 (Wed)

8のつく日は、イトヨーのハッピーデー。
何もかも5%オフ♪
最近ポイントカードを作りなおしたので、よく行っております。
野菜がいっつも綺麗だ^^
あ、せっかく行ったのに、ボディヒーター購入でたまったポイントを靴下に交換するのを忘れてきた・・・
(-_-;)
だんご庄だけはしっかり買ったけど(笑)。

IYで買い物の前は、図書ボランティア。
だけど、その前に、コーディネーターとして校長先生と打ち合わせ。
予算取りのためのプレゼン、地域教育協議会の開催について、コーディネーター交流会準備について。
どんどんスケジュールが埋まっていく。
恐ろしい。。。

お昼ごはんのあとは、そのことについて連絡を回さなくちゃいけないので、
ひたすらメールを作成しておりましたとさ。

うーん、忙しい。
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お仕事DAY

2012.01.16 (Mon)

本当の「仕事」じゃないけどね^^;

午前中は市役所で研修と会議。
コーディネーターも楽じゃない。
でも、まぁ実りがあった会合だったので、けっこう気分転換になりました。

ちょっと次女に腹立って、むかついてたので。
仕事があって、他人に会って、色々話してると気分が変わるもんだねー。
ボランティアは大変だけど、家に一人でこもっててはいけないなぁと実感。

ただ、コーディネーターとしてのお仕事は増えました。
ええ、持ち帰って話し合う&作業することがたくさん。。。
どこまで働かすのん~^^;


帰って昼ごはん食べて、そしてパートナーのコーディネーターさんと
週末の地域のイベントのための買いだし。
お弁当手配など。

終わって友人を自宅まで送り、その足でみさ姫の高校へ。
校長先生にアポ無しで突撃訪問し、校長室にて地域イベントのPRを(笑)。
お茶まで出してもらってついでに世間話をしてきました。

それから通常の買い物。
やっとルーティンワークのアイロンかけなどを終え、すっかり夕方。
(えーい、このまま座らずに用事済ませちゃえー!)
と思って、ぴろろんに電話して、届け物ついでに上がりこんで喋ってきました。
お互い、子供への愚痴を(笑)

でもね、昨日のTOKIOの番組を偶然二人とも見ていて、
「犬の問題行動は、飼い主の躾けが問題だ」
っていうのに感銘を受けてて(爆)
「そうだよね、私たちが悪いんだわ」
って二人で妙に納得してた^^;


ハードな1週間の幕開けです。
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『わがままいっぱいの国』 第8章 帰り

2012.01.16 (Mon)

第八章  帰り


  五人が宮殿からでてきたとき、ミッシェールが友だちにこういいました。
 「わたし、もう、わがままを三万六千ももっていないわ。たったひとつもっているだけよ。」
 「わたしもそうよ!」
とエリアーヌがいいました。
 「わたしだって同じだわ!」
とオデットもいいました。
 「ぼくだって!」
とジェラルドとオリビエが口をそろえていいました。
 「わたしのたったひとつのわがままは、わたしんちへ帰ることよ。」
とミッシェールがいいました。
 「わたしのも、家へかえることよ。」
とオデットとエリアーヌがいいました。
 「ぼくらだってそうさ。」
とジェラルドとオリビエもいいました。
 三人の子どもたちは、顔を見あわせて、どっと大笑いしました。
 それから、ジェラルドがこういいました。
 「ただ、家に帰るのにはつばさを見つけなければいけないだろう。でも、ぼく着がえ室の番号を忘れちまったよ。」
 すると、ミッシェールがいいました。
 「つばさなんか必要ないわ。ほら、みんな、まほうの棒をもってるじゃないの。だから、
『また、じぶんのベッドにもどりたい』っていうだけでいいのよ。みんな、じぶんのベッドにもどれるわ。」
 「じゃ、やってみよう・・・・・・はじめにオリビエがやってみるといい。いちばん小さいんだから。」
 オリビエがまほうの棒をふって、
 「ぼくのベッドへもどりたい。」
といいました。すると、たちまち、かれはきえてしまいました。
 「ほら、とてもうまくいくじゃないの。」
とエリアーヌがいいました。
 とうとう、ミッシェールの番がきました。
 かの女はまほうの棒をふって目をとじると、
 「わたしのベッドへもどりたい。」
といいました。
 すると、たちまち、かの女の目には、みどりに波うつ森の上にかかっている、秋の色をした大きな道が、また見えました。それはまるで、映画のフィルムをさかさまに早くまわしたように見えました。それから、砂ばくの白い砂が目にうつりました。さらに、はるかかなたに、小さな火山がふきだす赤いほのおがみとめられました。
その赤いほのおが大きく広がってきました。
 そして、ミッシェールは目を開きました。
 ミッシェールは、じぶんのへやのなかにいました。
 すでに、だれかがよろい戸をあけていて、太陽の光が明るくかけぶとんをてらしていました。
 へやのなかは、なにひとつかわっていません。ひじかけいすの上には、うすいブルーのきぬの服を着た、ミッシェールの大きな人形がのっています。だんろの上には、かの女が市でかった、赤と白のガラス製の船がのっています。かべには、両親とおとうとたちの写真がかかっています。
 ねえさんが、ドアの近くにたっていて、こういいました。
 「さあ、おきなさいよ。もう授業にだいぶおくれてるのよ。」
ミッシェールは目をこすって、おきあがりました。かの女は、またじぶんの家に帰ってこられて、勉強ができると思うと、とても満足でした。頭のなかで午前中の授業のことを考えようとしましたが、それだけは、いくら考えてもむだでした。
 ミッシェールは、でたらめカラスのことや、セレストさんのことや、女王さまのことを考えました。すると、家家の上をとんで学校へいきたくなりました。そこで、「わたしのつばさはどこにあるの?」とねえさんにたずねました。ねえさんはびっくりした顔でいいました。
 「つばさですって?・・・・・・歩くのに二本のじょうぶな足をもっているじゃないの。」
 学校へいってみると、エリアーヌもオデットもきていました。でも、ミッシェールはふたりのそばにはこしをおろしませんでした。だから、ふたりにはまほうの果じゅ園のことは話しませんでした。
 たちまち、ビュバール先生のきびしい声がとんできました。
 「ミッシェール!なにを考えているんです?」
  「なんにも考えていません、先生」
 「じゃあ、立っておぼえてきたぐう話を話してごらんなさい。」
 ミッシェールはたちあがると、ぐう話の最初の一行はどうだったかしらと考えながら、からだをかるく左右にゆすりました。やっと最初の一行を思いだしました。
 『カラスの親方が、まど口にこしをおろして、くちばしの上にめがねをかけました。』
 とたんにビュバール先生が大声をあげました。
 「ミッシェール、あなた、気でもくるったの?すわってよろしい。あなたはれい点よ。先生は、じぶんをごまかすひとは大きらいです。」
 ミッシェールは席にすわりましたが、はずかしい気持ちでいっぱいでした。でも、あんなぐう話が口からでてくるなんて、どうしたんでしょう?たしかに『カラスの親方』はいたけれど、こうして遠くはなれてみると、こんなにはずかしく、おそれいった気持ちになるなんて・・・・・・。
 それにしても、ミッシェールは、あのでたらめカラスさんを、どこで見たのでしょう?
 こういうことがすべて、ぼんやりかすんでいってしまったのです・・・・・・そして一時間もたつと、ミッシェールはもう、そういうことを考えなくなりました。
 それから、何日もたちました。ミッシェールは、まほうの果じゅ園のことをすっかり忘れてしまいました。かの女は大きくなり、ふたりのおとうとともっとなかよくしてゆこうと努力しました。それに、人形にもあき、そのかわり、本を読むようになりました。
 こうして、ミッシェールは八さいになり、やがて九さいになりました。
 九さいのおたんじょう日は、かなしい思いをしてすごしました。というのは、かの女はこのおたんじょう日を前からたのしみにしていたのですが、その日がやってきてみると、かの女の思いどうりにはいかなかったのです。
 その日、ふたりのおとうとはミッシェールに美しいおくりものをしてくれましたが、すぐに、かの女をからかいはじめました。ミッシェールは、知らん顔をして、おとうとたちのあいてをしましたが、それから一日じゅう、おとうとたちはかの女としゃべろうとはしませんでした。
 それに、ミッシェールはエリアーヌとオデットをしょうたいしていたのですが、あいにく、ふたりともハシカにかかっていて、こられませんでした。
 とてもさびしい、おたんじょう日の夜でした。
 ミッシェールはねえさんに、こういいました。
 「きょうはわたしのおたんじょう日よ。だから、わたし、十時にならなければねないわよ。」
 すると、ねえさんがきびしくいいました。
 「いけません。あなたはとてもつかれてるわ。ほら、もう目をあいていられないじゃない。いつもより早くねなければだめよ。」
 こうして、ミッシェールは早くねかせられることになりましたが、頭をまくらにあてながら、(あーあ!なにもかも、たいくつだわ!また、わがままがいっぱいできる国へいきたいなあ。)と思いました。
 たちまち、あの旅のことを、つばさのことを思いだしました。そして、
 「あのみどりの波が大きくうねる森の上を、もう一度とんだら、きっと気持ちがいいだろうなあ。」
とつぶやきました。すると、あの広いまっ白な砂ばくと、石のぼうしをかぶったファラオ王が目に見えてきました。ミッシェールは、まっすぐ、ファラオ王のところへいきました。そして、
 「ファラオ王さま、こんにちは。わたしのことをおぼえていらっしゃる?」
とたずねますと、ファラオ王がこう答えました。
 「おぼえているよ。あの三羽の白いニワトリと三羽の黒いニワトリのゆめのことを、わしに説明してくれた少女さ。」
 「あのとき説明してあげたとおりになりましたの?」
 「いや、ならなかった・・・・・・まるきりちがったね・・・・・・でも、わしは、自信をもって待っていたよ。まあ、すわりなさい。」
 ミッシェールは小さな火山のふもとにすわりました。すると、ファラオ王がなにかききたそうな顔をして、ミッシェールのほうにかがみこみました。
 「わしはね、こんや、またべつのゆめを見たのだ・・・・・・そのゆめをわしに説明してくれるかな?」
 「どんなゆめでした?」
とミッシェールは、ため息をつきながらたずねました。
 ファラオ王が話しました。
 「こういうゆめだ。わしは、ナイル川のほとりにいるようだった・・・・・・とつぜん、六ぴきのオレンジ色のカメと六ぴきのむらさき色のカメが、川からでてくるのが見えたのだ・・・・・・こりゃ、いったい、どういうわけだろう?」
 「わけなんて、なにもないわ。」
とミッシェールが肩をすくめながら、いいました。これをきくと、ファラオ王はびっくりしてしまいました。
 「なんだって?・・・・・・」
 ミッシェールは話しつづけました。
「わけなんて、なにもないのよ・・・・・・第一、ゆめには、なんの意味もあるはずがないのよ。ほら、今だって、わたし、あなたとあってるゆめを見てるけど・・・・・・ほんとうは、あなたっていう人はいないのよ。」
 「なんだと。わしがいないんだって?だって、わしは古代エジプトの王だぞ。」
 「古代エジプトも、この世にないのよ。」
とミッシェールはきっぱりといいました。
 すると、ファラオ王が石のうでをふりあげました。ミッシェールは、とてもこわくなって、にげだしました。
 あとから、ファラオ王がおいかけてきましたが、さいわい、王の石の服が両足にからまってしまい、そのため王は早く走ることができませんでした。ファラオ王は、いくつかの砂の山のまわりをまわっただけで、とうとう見えなくなってしまいました。
 やがて、ミッシェールはラクダののり場を見つけました。列の先頭にいるラクダは、年とっていましたがとても親切で、このまえにミッシェールをまほうの果じゅ園につれていってくれたラクダでした。
 ミッシェールは、そのラクダにまたがると、その耳を下にさげてやりました。耳は前よりもいちだんとよごれているようでした。
 「まほうの果じゅ園へいけ!」
と声をかけると、ラクダが走りだしました。
 ラクダが二百メートル近く走ったとき、ふりかえると、ずっとうしろの砂ばくの入り口のところにファラオ王があらわれるのが目にはいりました。ファラオ王は、あの石の横顔をこちらにむけて、こうさけんでいました。
 「ああ!わしがこの世にいないんだって?・・・・・・いまに見ていろ!」
 でも、そのすがたも、たちまち見えなくなってしまいました。
 三時間後、ミッシェールはでたらめカラスさんのまど口の前にたどりつきました。かの女はまど口に近ずいて声をかけました。
 「はいっていいかしら?」
 「あんたは、だれかね?」
とでたらめカラスがたずねました。その声は、前よりも少ししわがれているようでした。
 「ようせいのミッシェールよ。」
 「ようせいだって?・・・・・・はて、ようせいねえ?・・・・・・あんたは、ちっとも、ようせいみたいには見えないがねえ。」
 「なんですって?・・・・・・あなたはもう、わたしのことを忘れちゃったの?」
 こういいながら、ミッシェールは、古い厚紙をカラスのほうにさしだしました。ふしぎなことに、その厚紙は、いつのまにか、ミッシェールのポケットのなかにはいっていたのです。

 第二級のようせい、ミッシェール嬢にまほう王国全土の通行をゆるし、この国で、三万六千のわがままをすることをきょかするものである。
                         門番でたらめカラス
 女王陛下に


 でたらめカラスはミッシェールの顔をみつめました。そして、とてもうたがい深そうな目つきでいいました。
 「こりゃ、だめだ。この証明書はきげんがきれている。」
 「きげんがきれているですって?・・・・・・それ、どういうことなの?」
 カラスがいいました。
 「わしは知らんね・・・・・・とにかく、それは・・・・・・いや、いや、おじょうさん、この証明書じゃ、はいることはできないよ。テストを受けなくちゃならん。」
 「いいですとも。」
とミッシェールは、自信たっぷりに答えました。
 だって、今ではミッシェールはとてもよく勉強をしていました。それで、学校の成績がクラス一番になったことが二度、二番になったことが一度あったくらいでした。だから、かの女は自信があったのです。
 カラスが質問をしはじめました。
 「まず、算数の問題。十二かける十二はいくつかね?」
 「百四十四よ。」とミッシェールは答えました。
 ところが、カラスはなにもいわないで、うなずいただけでした。まるで、「だと思うね」といわんばかりでした。
 「つぎは歴史の問題。ルイ十三世のおとうさんはだれかね?」
 すかさずミッシェールは答えました。
 「アンリ四世よ。これでいいでしょ?」
 しかし、でたらめカラスの顔はみるみるうちにかなしげになり、なにも答えませんでした。
 ただ、最後にこういいました。
 「これ以上質問してもむだだ。あんたは、もう、まほうの果じゅ園にはいることはできないだろうね、ミッシェールさん。」
 さいわい、ラクダは待っていてくれました。それで、ミッシェールは、その夜のうちにじぶんの家にもどることができました。  
       (おしまい)
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『わがままいっぱいの国』 第7章 女王さまのお祭り

2012.01.16 (Mon)

第七章  女王さまのお祭り


 女王さまは、電球のフィラメントでつくったドレスを着ていました。それで、このフィラメントに光がすばやく走って、いろいろな絵もようはたえずかわりました。
 そこで女王さまのからだには、火の文字で『三万六千のわがまま』と書いてあるのが読みとれるかと思うと、からだぜんたいが光りかがやく泉のように見えることもありました。また、野原にふきすさぶあらしのように見えることもありました。
 「女王さまって、まるでエッフェルとうみたいだな。」
とオリビエがいいました。
 「でも、女王さまのお客のもてなしかたってへんね。」
とミッシェールがいいました。
 まったく、女王さまは右へ走るかと思うと、左へ走り、いつおわるとも知れない文字を描きます。ほんの少しの間もじっとしていません。それはだれにもまねできません。
 あつまった子どもたちのなかには、ぶつかりあったり、とっくみあいをしたりしているものがいました。
 一団のオーケストラがいましたが、それは十二人の楽士(音楽を演そうするひと)たちからなり、楽士ひとりひとりはかってにじぶんのすきな音楽をかなでていました。まるで、だれもきき手がいないみたいな演そうのしかたでした。
 それでも、ミッシェールは、『月の光』という曲の、でだしの三つの音ぷと、フランス国歌『マルセーエズ』の一小節を、ききわけました。
 「めちゃめちゃの音楽ね!」
とミッシェールがエリアーヌにいいました。
 すると、ジェラルドがあいづちをうちました。
 「ほんとだね。これじゃ、おおきいねえさんにきてもらって、きまりをつけてもらわなくっちゃあ。」 かたすみに、三人の少女がいました。かの女たちは絵に描かれた人物のまねをしていました。そこで、ミッシェールたちはその少女たちがだれのまねをしているのか見分けようとしました。
 「男のひとかしら?」とミッシェールがいいました。
 「そうよ。」とひとりの少女がいいました。
 「生きているの?」
 「そうよ。」とべつの少女が答えました。
 「パリにいるひと?」
 「そうよ。」と三番めの少女が口をききました。
 「権力をもっているひと?」
 「とても権力をもってるわ。」
と四番めの少女がうなずきました。
 「じゃあ、フランス共和国の大統領でしょう?」
とミッシェールはたずねました。
 「ちがうわ。ジャンヌ・ダルクよ。」(ジャンヌダルクはむかしフランスで祖国の「ためにたたかった女のひと」と五番めの少女がいいました。
 思わずミッシェールは大声をあげてしまいました。
 「なんですって!さっきあなたは、男のひとだっていったじゃないの。」
 「とにかく、この人であってほしいなあと思う人にしておけばいいのよ。」
とその少女が答えました。
 ミッシェールはエリアーヌに小声でささやきました。
 「ねえ、わたしたち五人でなにかしてあそばない?」
 五人の子どもたちは、階だんをいくつものぼっていきました。三階までいくと、あいたへやがありました。へやのなかにはいると、みんなはひじかけいすにすわりました。
 オリビエがたずねました。
 「なにをするんだい?」
 ミッシェールが答えました。
 「わたし、いい考えがあるの。宮殿でみんなであそぶことにしたら?」
 「うん!そりゃいい!」
とオリビエが手をたたきながらいいました。
 そして、すぐさまかれはしゃべりはじめました。
 「ファラオ王はゆめを見ていました・・・・・・まるで、ナイル川のほとりにいるような気持ちでした・・・・・・」
 たちまち、ミッシェールがどなりつけました。
 「おだまりったら、オリビエ。」
 すると、こんどはジェラルドが口をひらきました。
 「火山とは、ふん火口と呼ばれる口からほのおやよう岩をふきだす山のことである。」
 またも、ミッシェールが大声をはりあげました。
 「おだまり、ジェラルド。あんたにいろいろな質問をしてあげるわ。ここでいちばんえらいのは、わたしなんだから。」
 すると、オデットがこう主張しました。
 「ちがうわ。いちばんえらいのは、わたしよ。」
 「なぜ?」
とミッシェールがたずねました。
 「だってそうしたいんだもの。」
とオデットが答えました。
 ところが、ほかの四人はだまってはいません。口口にさけび声をあげてオデットにいいました。
 「だめよ!わたしたちのあいだで、きまりをつくるのよ。ミッシェールがいちばんえらいってことにしようよ。だから、さあ、ミッシェール、わたしたちになにか質問してごらんなさいな。」
 ミッシェールが質問をしはじめました。
  「ではジェラルドにきくわ。ゴール人をローマ人からまもった人はだれ?」
 「シーザーさ。」とジェラルドが答えました。
 そのとき、「よくできました。」
といったのは、まさしく、まほうの国の女王さまでした。女王さまはミッシェールたちのうしろにたっていたのでした。
 つづいて、ミッシェールが質問しました。
 「じゃあ、エリアーヌにきくわよ。ルイ十三世のおとうさんはだれ?」
 「ルイ十二世よ。」とエリアーヌが答えました。
 「よくできました。」と、またまほうの国の女王さまがいいました。
 このとき、地面たたきさんがへやにはいってきました。
 すると、女王さまがこういいました。
 「地面たたきさんになにかたずねてごらんなさい。」
 ところが、地面たたきさんはポケットからボールをとりだすと、それをじぶんの目の前に置きました。
 「だめ!」
と五人の子どもたちが、おびえて手を前にかざしながらさけびました。
 「なぜ?地面たたきさんにボールをたたかせてあげなさいよ。このひともわたしのお客さまよ。」
と女王さまがいいました。
 ミッシェールもまけずにいいました。
 「でも、このひとはわたしたちのお客さまじゃないわ。」というが早いか、ミッシェールは地面たたきさんのボールをとりあげてしまいました。
 「じゃあ、わしになにか質問してごらん。」と地面たたきさんがいいました。
 ミッシェールは、しばらくじっと考えこんでいましたが、とうとう、こういう質問をだしました。
 「イギリスの首都はどこ?」地面たたきさんが「エジンバラさ。」と答えました。
 「よくできました。」と女王さまがいいました。
 それから一時間ばかりしてから、子どもたちは、女王さまに「お気のままに」といいました。そして、ミッシェールが女王さまに、こうたずねました。
 「さて、女王陛下、わたしたちはどこでねたらよろしいのでしょうか?」
 「すきなところでねなさいな。」と女王さまがいいました。
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『わがままいっぱいの国』 第6章 メラニー

2012.01.16 (Mon)

第六章  メラニー


 ふたたび宮殿のそとにでたとき、ミッシェールたちは、もう一度、顔を見合わせました。みんなは、少しこまったような顔をしていました。まったくのところ、いったい、みんなはこれからなにをしたらよいのでしょう?それには、今、何時なのか、それさえわからないのです。
 しばらくして、オリビエが口を開きました。
 「まほうの棒をつかって、なにかたべるものをつくったらどうだろう?」
 ミッシェールが答えました。
 「そりゃ、いいわね・・・・・・でも、わたしに、ちょっと考えがあるわ・・・・・・うんとひくいテーブルをつくりましょうよ、そうしたら、草の上にすわることができるでしょ。」
 ところがジェラルドが反対しました。
 「だめだよ!ふつうの大きさのテーブルをつくったほうが、うんとおもしろいよ。それから、ふつうの大きさのいすとひじかけいすもつくろうよ。」
 こうして、ミッシェールとジェラルドは、いいあらそいをはじめました。
 ジェラルドがこういってまほうの棒をふりました。
 「大きなテーブル、あらわれよ!」
 すると、とたんに、大きなテーブルがあらわれはじめました。
 ところが、ミッシェールのほうはこういってまほうの棒をふりました。 
 「いいえ、小さいテーブルのほうがいいわ。」
 すると、どうでしょう。なんにも、あらわれませんでした。ミッシェールとジェラルドは顔を見合わせてしまいました。そして、
 「おや、まほうの棒がきかない。」
と口をそろえていいました。
 そのとき、それまでミッシェールたちのやることをながめていたひとりの少女が、笑いながら、こう歌いはじめました。


 ここでは、おおくやればやるほどおおくなる
 少なくやればやるほど少なくなる 
 でも、おおくやって少なくやると少なくなる
 少なくやっておおくやっても少なくなる


 この少女は頭の毛が赤くて、いじわるい顔つきをしていました。
 「あの子、なにを暗しょうしてるんだい?」
とジェラルドがいうと、ミッシェールが答えました。
 「知らないわ。算術の問題でもとなえているんでしょ・・・・・・ねえ、ジェラルド、テーブルはわたしにつくらせてよ。そしたら、あんたには食器やテーブル・クロスをつくらせてあげるから。」
 やっと、ミッシェールとジェラルドは、力を合わせて食事のしたくをすることになりました。ミッシェールはカシの木でつくった美しいテーブルを注文しました。なぜなら、テーブル・クロスをかけたくなかったからです。
 でも、色の布でつくった小さなナプキンだけはほしいと思い、自分の名前の頭文字のししゅうがほどこしてあるのをつくりました。
 それから、ジェラルドが皿とコップを注文しました。ミッシェールの注文したナプキンがとてもうすいむらさき色なので、皿はレモン色にしました。
 オリビエはたべものをつくることを受けもつことにより、棒をふって、オレンジ・ジュースと、アイス・コーヒーと、あついココアを注文しました。
 エリアーヌはお菓子とジャムをつくることを受けもち、オデットはサンドイッチを受けもつことで、みんなにさんせいされました。
オデットはわかどりとハムとトマトのサンドイッチを注文し、そのうえ、小イワシとチーズのおいしいミックス・サンドもつけくわえました。
 じゅんびがととのうと、ミッシェールたちは、両手を満足そうにたたきながら、テーブルのまわりにあつまりました。それからジェラルドがいすをつくって、みんなはこしをおろしました。
 ところが、ミッシェールが、手をだしてみんなにココアをついでやろうとしたとき、あの赤毛の少女が、まほうの棒をふりあげました。かの女はそれまで、ミッシェールたちから目をはなさないでいたのです。少女がこうさけびました。
 「みんな、きえてしまえ!」
 すると、とたんに、ミッシェールたち五人は、こしかけているかっこうのまま下におちて、地面にどすんとしりもちをついてしまいました。そして、おどろきからわれにかえったとき、まわりにはいすもテーブルもありませんでした。みんなは腹をたてながら、赤毛の少女のほうをふりかえりました。そして、五人で口をそろえてこういいました。
 「あんた、だあれ?」
 「わたしはようせいのメラニーよ。」
 「どうして、わたしたちのたべものをひっくりかえしてしまったの?」
 「わたしはほしくないからさ。」
 「でも、わたしたちは、あんたになにもしなかったじゃない。」
とミッシェールがいいました。
 「わたしは、なにも、あんたたちがわたしになにかしたなんていってないわよ。」
とメラニーが答えました。
 「じゃあ、なんだって、わたしたちにけんかを売るのよ?」
 するとメラニーがこういいました。
 「あんたには、したくないっていう権利があるわ。そして、わたしにはしたいっていう権利があるわ。」
 それから、メラニーはこう歌いました。



ようせいたちよ、ただひとつのきまりは、
わたしたちの心のなかにある。
 それは、どんな気まぐれもしでかすきまり、
 なぜなら、かしこいだけは、ばかだから、
 ぎょうぎよいだけは、ぶさほうだから、


 「そのぐう話はききあきたわ。」
とミッシェールはいいながら、まほうの棒をふりました。
 「テーブルよ、もどりなさい!」
 すると、メラニーも自分の棒をふりながら、さけびました。
 「テーブルよ、もどってこなくてもよい!」
 テーブルはあらわれませんでした。
 ミッシェールが四人の友だちのほうをふりむきながら、こういいました。
 「こんなことってあるかしら。せめて半分の高さのテーブルがあらわれたっていいのにね。」
 ところが、メラニーは歌いながらおどりはじめました。


 ここでは、おおくやればやるほどおおくなる
 少なくやればやるほど少なくなる 
 でも、おおくやって少なくやると少なくなる
 少なくやっておおくやっても少なくなる


 どうやら、今にもけんかがはじまりそうなようすになってきました。五人の子どもたちは、ちょっと戦いの相談をしました。
 「どうしようか?」
とジェラルドがいいました。
 「あいつ、ひっぱたいてやらなくちゃ。」
とオデットがいいました。
 「うん。でも、あいつがたたきかえしてきたら、どうする?」
 「でも、まさか、たべながら、けんかをすることはできないでしょ。」
とミッシェールがいいました。つづけて、エリアーヌがいいました。
 「とにかく、ふくしゅうしてやらなくちゃあ。」
 「あんなやつ、おっぱらうべきよ。」
と、これはオデットのいいぶんでした。
 ところが、ここで、ジェラルドがおもしろいことをいいだしました。
 「それとも、そ、あいつを食事にさそってやったら、どうだい。」
 ほかの四人は思わず顔を見合わせました。
 そして、ミッシェールが口を開きました。
 「あんたも、ときどき、いいことを思いつくわね・・・・・・わるかない考えだわ。あの子を食事にさそったら・・・・・・うん、どうやら、ほかに、あの子をおとなしくさせる方法はなさそうね。」
 しかし、エリアーヌがちょっと反対しました。
 「でも、あの子はわたしたちの友だちじゃないわ。」
 「食事にさそっちまえば、友だちになるじゃないか。」
とジェラルドがいいました。
 ミッシェールがメラニーのところへあゆみよっていきました。赤毛の少女はいかりにもえる目をぎょろぎょろせながら、遠くから五人のほうをうかがっていたのです。
 ミッシェールが口をひらきました。
 「わたしたちと食事しない?」
 「いやよ。」
 「なぜ?」 
 「だって、ほしくないもん。」
 これをきいて、オリビエがあきらめたように、こういいました。
 「よし、みんなでやっつけちまおう。いじわるもほどほどにしろってんだ。」
 そこで、五人は、少しきょりをおいて、メラニーをおいかけはじめました。こうして五人が、リンゴの木の下を、二、三百メートル走っていくと、とつぜん、地面たたきさんの目の前にきてしまっていることに気づきました。
 地面たたきさんは、しばふのまんなかにたって、足もとにおいた小さなボールを用心深くたたこうとしているところでした。
 ミッシェールと四人の子どもたちがさっと道をひらくと同時に、地面たたきさんが大きくうでをふって、思いっきりボールをたたきました。
 とたんに、さけび声がきこえました。見ると、ボールが赤毛の少女の胃のくぼみに命中したのでした。
 「ひゃあ、あいつ、ひっくりかえっちゃったぞ!」
とオリビエが勝ちほこったような声をあげました。
 地面たたきさんが口をひらきました。
 「あの子がわしのボールをとめちまった。この土地はあそびにくいな。」
 そして、じぶんでじぶんをなぐさめるように、かれはまほうの棒としてもつかえる、先に鉄のついた棒で、リンゴの林のまわりに、わすれなく差と赤いチュウリップの美しい花だんをつくってしまいました。
 それからしばふの上にこしをおろすと、大きなあくびをして、いいました。
 「花が早くさくなあ。これだから、この国はたいくつだよ。」
 エリアーヌが口をだしました。
 「さあ、女王さまのところへいきましょうよ・・・・・・女王さまは気まぐれだけど、美しいわ。」
 「うん、女王さまのところへいこう。」
と地面たたきさんも、おうむがえしにいい、そして、鉄の先のついた棒をぶらんぶらんさせながら、ミッシェールたちのあとからついていきました。棒の下の草の中に、野生のヒヤシンスがさきはじめました。
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『わがままいっぱいの国』 第5章 すてきできままな女王様

2012.01.16 (Mon)

第五章 すてきできままな女王様


まほうの国の女王さまの宮殿は、ガラスでつくってありました。宮殿は、なん本もの水晶の円柱でささえられ、全体がバラ色にかがやいていました。
 ミッシェールはおどろきの声をあげました。
 「まあ!この国ではバラの花とリンゴの花が、おなじ時期にさくのね?」
 オリビエが答えます。
 「どんな花も、さきたいときにさくのさ。まほうの国の女王さまは、一日に二度も自分の住む家をかえちまうんだよ。あの宮殿だって、けさは、ピエールおじさんの家ににていたけれど、きのうは、バガテルの宮殿ににていた。でも、今は、なににもにていないようだね。」
 「なかにはいることができるの?」 
 「はいりたければ、はいれるさ。」
 宮殿の入口には、見はりはひとりもいませんでした。玄関には手紙が山とつんであり、どの手紙もまだ開いてありませんでした。 そして、まだおひるだというのに、宮殿の電とうはみんなともっていました。
 子どもたちは図書館を通りぬけていきました。この図書館には何千さつという本が置いてありましたが、どの本もあたりかまわず放りだしてありました。まるで本の山でアーチ(半円形をした門)がつくってあって、その下を通りぬけていくみたいです。
 「パパの書さいみたいだわ。」
とミッシェールがいいました。
 「いや、パパの書さいよりちらかっているよ。」
とジェラルドがいいました。
 みんなが応せつ間にはいっていくと、そこ女王さまがたっていました。
 女王さまはとても美しいかたでした。頭に小さなかんむりをかぶり、手にはまほうの棒をもっていました。それはほかのまほうの棒よりずっと美しくかがやいていました。
 女王さまは、そのまほうの棒をつかって、宮殿のなかの家具をみんなとりかえているさいちゅうでした。女王さまは棒を、見ていてもおかしいくらい早くふりまわしていました。
 たとえば、女王さまは、自動車がいっぱいこみ合っている町を描いた絵をじっと見つめていましたが、やがて棒をさっとふりました。すると、その絵は女のひとの横顔を描いた絵にかわってしましました。
 女王さまは、この絵を十分間ばかりながめていましたが、つぎに、もう一度棒をふりました。すると女のひとの横顔がきえて、かわりにインドの宮殿があらわれました。その宮殿の前には黒と赤のゾウが水をあびています。
  ジェラルドが大声で笑いだしました。すると、女王さまがふりかえって、ジェラルドにこういいました。
 「おや!おねえさんをつれてきてくれたのね。こんにちは、ミッシェール。あなたをまってたのよ。あなたのおかあさんも、子どものころここにきて、しばらくここで、わたしたちといっしょにいたのよ。だけど、とうぜん、わたしたちのところからはなれていかなければならなかったわ。」
 「どうして、とうぜんなんですか?」
とミッシェールがたずねました。
 すると女王さまは、まほうの棒でテーブルをランプに変えながら答えました。「どうしてって、だれもこの国に長くいることはできないからよ。あの地面たたきさんはべつだけれど、そのほかのものは、だれだって、この国に十二年以上いなかったのよ。」
 すかさず、ミッシェールがいいました。
 「それに、女王陛下もべつですね。」
 ミッシェールはこういう場合、女王陛下というべきであることを知っていたので、とてもほこらしく思いました。
 女王さまがこう答えました。
 「あら!わたしはちがうわ。わたしは気まぐれですもの。」
 そういいながら、女王さまはまほうの棒を近くにあるいすのほうにむけました。いすはたちまちタンスに早がわりしてしまいました。
 子どもたちは顔を見合わせました。
 そして、エリアーヌがおそるおそるこういいました。
 「女王さま、わたしたちは、これからなにをしたらよいのでしょうか?」
 「それ、どういうこと?」
 「つまり、わたしたち、どこへいったらよいのでしょう。なにか、きまりでもあるのでしょうか?」
 女王さまが、まほうの棒を天じょうにむかってふりあげました。すると、その天じょうは、すぐさま美しいシャンデリアに早がわりして、とてもすんだ声でこう歌いはじめました。


 ようせいたちよ、ただひとつのきまりはわたしたちの心のなかにあり、
 それこそ、すべての気まぐれをとりしずめるもの
 なぜなら、かしこいだけは、ばかということ、
 ぎょうぎがよいだけは、ぶさほうだから。


  子どもたちは、もう一度、顔を見合わせました。
 「あの歌、なにかしら?」
とエリアーヌがたずねると、オデットがいいました。
 「ぐう話よ。」
 「でも、だれがあんなぐう話をつくったのですか?」
とミッシェールが女王さまにたずねました。
 「それはあなたがたが思う通りかってにきめていいことなのよ。」
と女王さまは答えました。それから子どもたちにこうたずねました。
 「あなたたち、チョコレートをたべたくない?」
 こういったかと思うと、女王さまはそばにあるテーブルにむかって、まほうの棒をふりました。すると、そのテーブルの上にヒシ型をした箱があらわれました。
 女王さまはふたたび棒をふると、それをアメにかえてしまいましたが、ミッシェールたちにアメをくばるのはわすれてしまいました。
 それから子どもたちをドアのほうへ案内していきながら、こう歌いました。


 歌え、話せ、さけべ、わめけ、たたけ、
けんかせよ、わたしの親しい少女たち。
 なんでも好きなことをやってごらん、
 やればやるだけ、あなたがたは、
 ずっとおとなしくなるから。


 ドアのところで女王さまがいいました。
 「きょうの午後、宮殿でお祭りがあるわ。みなさんがたをおまちしていますよ。・・・・・・でも、あなたがたのおこのみしだいで、きてもこなくってもいいのよ。」
 ミッシェールが答えました。
 「陛下、お気のままに。」
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『わがままいっぱいの国』 第4章 空の旅

2012.01.16 (Mon)

第四章 空の旅


そこはしばふをうえた広い広い土地で、まわりは木木でかこまれていました。 入り口にはつぎのような立てふだが立っていました。


まほうの国飛行地

  かっ走路


二本の大きなぼだいじゅの木が、立てふだをとりかこむようにはえていました。左がわのぼだいじゅのみきに、小まどがあけられていて、その上にはこう書いてありました。


 試験飛行するものは、
  かかりの、やさしい
  ハトにもうし出ること


 セレストさんが小まどをたたくと、なかから、
 「クウクウ・・・・・・クウクウ・・・・・・クウクウ・・・・・・」
という声がきこえました。セレストさんが大声を出しました。
 「やさしいハトさんったら!セレストですよ。」
 すると小まどがあいて、一羽のハトがあいそよくあいさつをしながらあらわれました。
 「クウクウ・・・・・・なにかご用ですか、セレストさん?」
 「やさしいハトさん、少女ようせいのミッシェールさんをおつれしましたよ。ミッシェールさんは、これからまほうの果じゅ園へいくのです。ミッシェールさんを、たしかにあなたにあずけましたよ。しばらくのあいだ、ミッシェールさんをひっぱってあげてくださいな。まだ一度も空を飛んだことがないひとなんですから・・・・・・それでは、ミッシェールさん、さようなら。どうぞ気ままにね。」
 ミッシェールはたずねました。
 「なぜ、どうぞ気ままになんていうんですか?」
 すると、セレストさんがこう答えました。
 「それはね、まほうの果じゅ園では、だれも、『幸運をおいのりします』とはいえないからです。だって、まほうの果じゅ園では、だれだって幸運をつかむことができるんですものね。」
 ミッシェールは大きくうなずいて、こういいました。
 「なるほどね! ほんとだわ。ではセレストさんも、お気のままにね!」
 セレストさんがいってしまうと、ミッシェールは、ハトのほうを向きました。やさしいハトが、こういいました。
 「クウクウ・・・・・・なんてかわいくて美しい青空のようせいだろう。ところで、あなた、いままでに空をとんだことがありますか?」
 「いいえ、一度もありません。」
とミッシェールは答えました。
 すると、ハトがとてもあいそよくいいました。
 「けっこうです。わたしがとびかたをはじめから教えてあげますよ。」
 そして、ハトはとまっていた木からミッシェールの肩にとびうつってくると、羽がきちんとくっついているかどうか、くわしくしらべました。
 「けっこう・・・・・・だいじょうぶですよ・・・・・・うっとりするようなかわいい羽をもっていますね。これなら、じゅうぶんにとべますよ・・・・・・でもね、おじょうさん、よくよく注意しなければいけませんよ・・・・・・うっかりしていると事故を起こしますからね・・・・・・あなたがたは、男でも女でも、よく『ハトはとぶ』といいますね。それがまるであたりまえみたいにね・・・・・・でもね、あたりまえなんてことはひとつもないんですよ・・・・・・ハトがとぶのは、とぶことを学ぶからなんですよ。」
 それから、ハトはミッシェールに、どうやって小鳥がとぶのか、説明してくれました。しばふをうえたかっ走路には、白いカモメがたくさんいました。かれらは、しんまいのようせいがしている、とぶ練習をてつだうためにいるのでした。
 やさしいハトさんは、このカモメたちの隊長さんだったのです。
 やさしいハトさんは、カモメたちが羽をまったく動かさないでとぶことを、ミッシェールに話してきかせました。
 「なぜ、そんなことができるの?」
とミッシェールがたずねました。
 やさしいハトさんが説明しました。
 「それはね、カモメたちは気流を利用することを知っているからですよ・・・・・・ほら・・・・・・水のなかにも・・・・・・あの水流ってのがあって、そのおかげで、およがなくっても遠くへ流されることができるってことを知ってるでしょう・・・・・・あれと同じことが空中でも起きるのですよ。」
 そして、やさしいハトさんが命令すると、一羽のツバメが、木にとまる方法や、かべにつくった穴、つまり巣にはいっていく方法を、ミッシェールに実演してみせてくれました。
 「わたしもやってみたいわ。」
 「では、向こうへいって、ここへとんできてごらんなさい。五、六ぺん羽ばたいて、何メートルかとんでみるのです・・・・・・最初はあまり遠くからとんではいけませんよ。」
 ミッシェールは、羽を二、三回はばたいてみました。いつも小鳥たちがやるのを見ていましたので、そのまねをしてみたのです。と、たちまち、ミッシェールのからだは地上から十メートルもまいあがってしまいました。
 ミッシェールはびっくりしてしまいました。びっくりしたあまり、かの女は、はばたくことをやめてしまいました。
 すると、こんどはすっと落ちそうになり、かの女はこわくなってきました。
 下から、やさしいハトさんがさけびました。
 「着陸する前に、ちょっとはばたくんですよ!」
 ミッシェールは、いわれたとおりにちょっとはばたいてみました。するとしずかに着陸することができました。
 やさしいハトさんが笑いながらいいました。
 「はじめてにしては、悪くないできですよ・・・・・・いや、あなたはなかなか才能がありますよ。すぐにじょうずにとべるようになるでしょう。もう五、六回練習すれば、まほうの果じゅ園へとんでいけますよ。」
 ミッシェールはたずねました。
 「でも、まほうの果じゅ園をどうやって見つけるの?」
 ハトが説明してくれました。
「そりゃ、かんたんなことですよ。まほうの果じゅ園は、ま南にあります。今、ちょうど正午ですから、太陽に向かってとべばよいのです。方向に東西南北があるってことは、教わっているでしょう?」
 「ええ。太陽に向かっているとき、東は右になり、西は左になるわ。」
 「そのとおり。でも、その反対を向いたときはちがいますよ。それにしても、まほうの果じゅ園は花ざかりのリンゴの木におおわれていますから、思いまちがうことはまずありますまい。 
 大きな森の上を、太陽に向かってとんでいきます。そして遠くのほうに白いはん点を見つけたら、それがまほうの果じゅ園です。木の上におりないように気をつけなさい。ひょっとして羽をいためたりしても、たすけてくれるものはひとりもいませんからね・・・・・・。
 そんな木におりないで、まほうの果じゅ園の空の大通りをとんでいくのです。この大通りは、木木のてっぺんに秋の紅葉の色でしるしがつけられています。ハトたちはみんな、この大通りをたどって女王さまのつかいをするのです。」
 「どんな女王さま?」
とミッシェールがたずねました。
 「まほうの国の女王さまです・・・・・・それはもう、とてもうっとりするような、陽気な女王さまなんですよ・・・・・・クウ・・・・・・クウ・・・・・・。」
 それから、ハトはミッシェールに、とぶ方法をながながと教えこんでから、やっとまほうの果じゅ園に出発することをきょかしてくれました。
 空中にとびあがり、やがて森の上にさしかかったとき、ミッシェールはじぶんのまわりに、ほかにも小さなようせいたちがとんでいるのを目にしました。なかには、とても早くとんで、あちこちの木のこずえにとまってはねまわり、それからまたとび立っていくものもいます。それは、もうずっと前にようせいになったものたちでしょう。また、なかには、反対に、ミッシェールのように、とびかたがとてもへたなものたちもいました。そういうものたちは、ときどき、二、三分のあいだ、前へ進まないことがあります。これは進む方向とは逆の気流にぶつかったからです。また、ときには、とつぜん十メートルも落ちることがあります。まるで、ふいに井戸にであったみたいです。これはエア・ポケットという、空気のなかにできる落としあなに落ちこんだためです。
 ミッシェールがこうしたエア・ポケットのひとつに落ちこんで、やっとの思いをして平均をたもち、呼吸をととのえようとしたとき、うしろから呼びかける声をききました。
「ミッシェール、とまってよ。わたしたちをまってよ。」
 ミッシェールは考えました。
 (わたし、あんまりつかれたので耳なりがするんだわ。これはきっと、とびつづけることができなくなってついらくするのね。)
 なぜこんなことを考えたかというと、かの女はもう、空をとんでいるというより、水のなかをおよいでるような気分になっていたからです。ところが、ミッシェールは、またもや、さけび声を耳にしました。
 「ミッシェール、ミッシェールったら・・・・・・。」
 ミッシェールはふりかえり、同じクラスのふたりの友だち、オデット・サンブルフイユとエリアーヌ・クロアレックを目にして、びっくりしました。このふたりは、いつもクラスでビリの成績でしたが、ミッシェールはこのふたりが大すきでした。
 ミッシェールは前よりもゆっくりとんで、ふたりが自分の高さまでこられるようにしてやりました。そして、ふたりにたずねました。
 「でも、あんたたちは、どうしてきたの?」
 「あんたと同じようにしてきたのよ。」
とオデットが答えました。
 「それで、あんたたち、でたらめカラスさんのテストに合格したの?」
 「もちろんよ!」
 「じゃ、問題がわかってたのね?」
 エリアーヌが笑いながら答えました。
 「だと思うわ・・・・・・だって、わかってなかったら、ここへきていないわけでしょ。でも、それよりふしぎなのは、イヴォンヌがテストに合格しなかったことね。ね、信じられないでしょ! 
 イヴォンヌが合格しないなんて・・・・・・だって、あのひと、いつも成績が一番だったのに・・・・・・」
 「合格しなかったって?あのカラス、イヴォンヌになんてたずねたの?」
とミッシェールがききました。
 「八かける六は?ってたずねたわ」
 「それで、イヴォンヌはなんて答えたの?」
 「四十八って答えたわ。」
 「なるほどね。ほんとうはね、八かける六は五十四だと思うんだがな・・・・・・でも、イヴォンヌは、たしかに九九をよく知ってたはずなのにねぇ。」
 すると、オデットがこういいました。
 「それが、やっぱりだめだったにちがいないわ。だって、でたらめカラスは、きっぱりとイヴォンヌを追いかえしちまったもの。イヴォンヌはとても悲しんでたわ。」
 ここで、エリアーヌが口をはさみました。
 「でも、とぶってことは、そんなにたのしいことではないわね。」
 ミッシェールは答えました。
 「そうね。ハトがとぶのをまねしようと思ったら、とてもむずかしいでしょうね。いちいち片手をあげて、『オデットの飛行』、『エリアーヌの飛行』って合図しなけりゃならないわ。それでも、いつもまちがうわね。」
 「ねえ、わたしたちの上をとんでいる、あの大きな鳥はなんなの?」
とエリアーヌがたずねました。
 ミッシェールが答えました。
 「ワシだと思うけど・・・・・・ねえ、あんたたちジュピテルを見かけなかった?」
 エリアーヌがいいました。
 「ええ!見かけたわよ・・・・・・それから、やさしいハトさんも見たわ。あのハトって、とても親切なのね・・・・・・わたしのこと、とてもかわいいっていってくれたわよ。」
 すると、オデットもまけずにいいました。
 「わたしのことも、いい子だっていったわよ。」
 「ほんとに、あのハトさんて、すてきね。」
とミッシェールもいいました。
 オデットとエリアーヌが、口をそろえていいました。
 「ほんとに、すばらしい先生だわね。」
 こうして、三人は、長いあいだ、じぶんたちのふしぎな冒険について話し合い、そうして話し合ううちに、旅のたいくつなことを忘れました。
 一時間十五分ばかりとんだころでした。三人は、はるかかなたに白いしみみたいなものを発見しました。それこそ、あのやさしいハトさんが話していた白いしみでした。
 「まほうの果じゅ園だわ。」
と三人が同時にさけびました。
 その白いしみにぐっと近よってみると、三人の目に、とても美しいけしきがはいってきました。その果じゅ園は花ざかりのリンゴの木でみちみちていました。リンゴの花は、まるで、いたるところ波が大きくうちかえしている、広い広い海のようでした。
 エリアーヌがいいました。
  「さて、これからがやさしくないのよ。着陸するんだから。」
 ミッシェールがいいました。
 「ほら、見てごらん。リンゴの木が植わっていない広い土地があるわ。ほら、あの果じゅ園のまんなかよ。」
 エリアーヌが答えました。
 「そうね。でも、あそこには人がいっぱいいるわ。大声をだして、みんなに離れてって、いってやりましょうよ・・・・・・でも、やさしいハトさんが教えてくれたことを忘れちゃだめよ。まず、つばさをたたむようにして・・・・・・着陸する前に小さくはばたくのよ。クウクウ・・・・・・クウ!」
 三人は果じゅ園のまんなかめがけてすべるようにおりていきました。ところが、あと五メートルで着陸というときに、何人もの少年少女たちが、三人がおりようとしている土地でおし合いへし合いしているのが目にはいりました。
 ミッシェールが大声でさけびました。
  「みんな、はなれてよお!」
 ところが、だれひとり動こうとしませんでした。この子どもたちは、どうやら、とっくみ合いのさいちゅうのようでした。みんな、口口にさけび、手をふりまわしているばかりで、ミッシェールのいうことなどには耳をかそうとしませんでした。
  こんどはエリアーヌが大声でよびかけました。
 「ねえ、おねがいだから、はなれてよ。はなれてくれないと、わたしたち、あんたたちの頭の上におりてしまうわよ。」
 それでも、みんなはこの三人の新入りのまほうつかいたちのことなど、とんと気にするようすがありません。まるで、こんな三人などこの世にいないみたいなのです。
 とうとう、オデットが腹を立ててしまいました。
 「まあ!なんていじの悪い子たちなの!」
 そして、かの女はひとりの少女の頭の上におりようとしました。少女は大声をあげると、手を大きくふってオデットを地面にほうりだしてしまいました。かわいそうに、オデットは地面にたたきつけられて、片方のはねをおってしまいました。
 ミッシェールは、なんとか、ひとりの少年の背中にのるようなかっこうでおりることができました。そしてエリアーヌは、どうにかこうにか、一本のリンゴの木にしがみつくことができました。
 ミッシェールは、少年の肩からおりるとき、その少年の顔をのぞきこんでみて、なんともいえないくらいおどろいてしまいました。その少年は、なんと、おとうとのジェラルドだったからです。
 「あら!なぜ、あんたはこんなとこにいるの?」
 ジェラルドがこう答えました。
 「なぜってことはないさ。オリビエだっているよ・・・・・・でも、ミッシェールねえさん、ぼくの肩なんか落っこちてきて、いたいじゃないか・・・・・・」
 ジェラルドはとても腹をたてており、ぶんぶん手をふりまわしました。
 「あんたたちはいつからここにいるの?」
とミッシェールはたずねました。
 「きのうの夕方からさ。」
とジェラルドが答えました。
 「あんたたちも、テストに合格したの? 信じられないわね・・・・・・あんただって、オリビエだって、なんにも知りやしないんだから・・・・・・まさか、あのカラス、あんたたちに、ゴール人はキリスト教を信じなかったかなんて、きかなかったでしょうね。」
 「そんなことは、ぜんぜんきかなかったよ。ただ、八かける六はいくつかってきいただけさ。」
 「それで、あんたはなんて答えたの?」
 「五十五さ。」
 「まあ、そんなとこでしょうね。あんたは九九の五の段までしか知らないものね・・・・・・そしたら、あのカラス、なんていったの?」
 「よくできたってさ。」
 「へんなカラスねえ・・・・・・わたしには、八かける六は五十四で、とてもよくできたっていったくせに・・・・・・それで、あんたたちは、ここでは、家にいるよりも、おとなしくしてるんでしょうね。」
 「ミッシェールねえさん、ここではね、だれもおとなしくしていないよ。みんなやりたいことをやってるんだよ。」
 「でもね、おとなしくしていようと思えば、それもできるのよ。」
とミッシェールは、ねえさんらしくきびしい口調でいいました。
 するとオリビエが口をとがらせてこういいました。
 「そりゃそうさ。でもね、だれだって、おとなしくしていたかないさ・・・・・・おとなしくしていたいなんて思うやつはひとりもいやしない。」
 「それで、みんなはここでなにをしているの?」
 ジェラルドがふくれっつらをして、こう答えました。
 「みんな、とっくみ合いのけんかをしてるのさ。」
 ミッシェールはまわりで動きまわっている子どもたちのむれを心配そうに見まわしました。そして、
 「あれでは、みんな、つばさをおってしまうわ。」
といいました。するとジェラルドが、
 「そんなことないよ。つばさはね、ほら、ずっとむこうの女王さまの家のそばになる、着がえ室に置きにいけばいいんだ。」
 「あら、ほんと。そうね、ここには女王さまがいるんだったわね。それで、女王さまをおたずねすることはできるの?」 「うん、たずねたきゃできるよ。」
 「でも、いきなりおたずねしたってだめでしょ? おたずねするやり方があるでしょう?」
 「やり方なんてあるかい。ここじゃあね、だれだって、したいと思うことをしてるのさ。」
 このとき、とても背の高い男が子どもたちのむれに近づいてくるのを、エリアーヌがみつけました。
 その男の顔は、バラ色にそまって、すべすべしていました。かみの毛は、まるでクリームのようにまっ白でした。それから男は、うすいグレイのざらざらしたあらいぬのの上着を着ていました。半ズボンをつけ、グリーンと赤のごばんじまの靴下をはいていました。
 とても親切そうな顔つきをした男でしたが、なにしろ、その庭には子どもたちしかいませんでしたので、その男があらわれたことで、みんなはびっくりしてしまいました。
 エリアーヌがジェラルドにたずねました。
 「どうしよう。あのひとはだれなの?」
 すると、ジェラルドが両手を頭の上にのせながら、こう答えました。
 「えっ!ああ、あの人かい・・・・・・ありゃ、地面たたきさんといってね、スコットランド人なのさ。とても親切なひとなんだけど、ちょっと危険な人物でもある。さっきもね、あのひと、ようせいのフランソワーズの歯を三本もおっちまったんだよ。」
 「どうして、おったの?」
 「あのひとはね、小さなボールを長い棒でうつんだよ。ボールはときには百メートルもとぶことがあるんだ・・・・・・だから、あのひとの通り道にいたら、にげださなけりゃならん。」
 ミッシェールがたずねました。
 「それで、そのフランソワーズのおれた三本の歯はどうしたの? 歯医者さんに連れてったの?」
 「そんなことするもんか! まほうの棒をつかってなおしちまったさ・・・・・・まほうの棒を、歯ぐきに近づけてさ、こういうんだ、『歯よ、はえよ!』すると歯がはえちまう・・・・・・とてもかんたんなのさ・・・・・・フランソワーズは新しい歯をどっさりこしらえてもらって、おおよろこびだったよ。今じゃ、あの子、新しい歯を十四本ももっているんだ。」
 このとき、ミッシェールは、おとうとたちをながめていて、かれらも手にまほうの棒をもっていることに気づきました。そこで、こうたずねました。
 「あんたたち、もう、その棒をつかったことあるの?」
 「もちろんさ!ふたりで自動車のガレージをつくったし、けさなんかすてきな朝食を作ったよ。ココアと、オランダいちごいりのパイと、パンと、バターと、オレンジ・マーマレードと・・・・・・でもココアのおかわりはつくれなかったな。だって、地面たたきさんが、ぼくのカップをわっちまったんだもの。」
 ミッシェールがいいました。
 「わたしといっしょにきなさい。つばさを着がえ室に置いて、女王さまをおたずねするんだから。」
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『わがままいっぱいの国』 第3章 くもの羽

2012.01.16 (Mon)

第三章  くもの羽


でたらめカラスがいいました。
 「さてこんどは、ドレスと羽と、つえをさがしにいかなけりゃならん。」
 「わたし、羽とまほうのつえが持てるの?」
 「あたりまえだよ・・・・・・とにかく、おめでとう。」
 こういうと、カラスはかた足をミッシェールにさし出しました。
 「なんで、おめでたいの?」
 「あんたがようせいとして認められたからさ・・・・・・これはめいよなことだよ。」
 「でも、認めたのはあなたじゃないの?」
 「そのとおり。わしに認められたからこそ、おめでとうといっておるのだ。わしに認められるということは、めいよの中でもこの上ないめいよだよ。」
 「それじゃ、なぜ、あなたはじぶんでじぶんをようせいに任命しないの?」
 ミッシェールがこうたずねると、カラスが答えました。
 「わたしはカラスのままでいたいからさ。」こういうと、カラスはまどからでて、地上にぴょんととびおりました。それからめがねをたたんで羽のなかにしまうと、ミッシェールに向かって、ついてくるようにと合図しました。
 ミッシェールはカラスのあとから、木立のなかをだまって歩きました。やがて大きなカシの木の前につきました。カシの木には、つぎのようなけい示板がはりつけてありました。


三万六千のわがままができる国・用具置場案内

               つえ・・・・・・二階 W 号室
               飛行用具・・・・三階 L 号室
               飛行衣類・・・・四階 X 号室


でたらめカラスが、木の皮の下にかくれているボタンをおすと、ドアがひらきました。
 ミッシェールはびっくりしてさけびました。
 「あら! なんてすてきなエレベーターだこと! こんなの見たら、おとうとのオリビエがきっとよろこぶわ。オリビエったら、エレベーターが大すきなんだから。」
 すると、でたらめカラスがたずねました。
 「じゃ、あんたはどうかね?」
 「わたし? わたしはカラスがすきよ。」
とミッシェールは答えました。かの女には、どういえばカラスがよろこぶか、わかってきたのです。
 おせじをいわれて、黒いカラスは、よろこびに赤くなりながら、羽でミッシェールの足をなでました。そして、
 「あんたはじつに勇かんな少女だな・・・・・・さてと、わしのいうことをよくきくんだよ。エレベーターにのったら、ドアをきちんとしめるんだ。それから、『衣類置場の階』と書いてあるボタンをおすんだよ。そとに出られるからな・・・・・・。」
 「おりたら、エレベーターをもとに送りかえすわね。」
とミッシェールはいいました。
 「それは、あんたのすきなようにするがいい。あんたはもうようせいなんだから、やりたいことをやればいいのさ・・・・・・エレベーターをおりて、右手を見ると、へやがひとつある。そのドアには、『セレストさんのへや』と書いてあるはり紙がしてある。そのドアをたたくんだ・・・・・・セレストさんは、ようせいの衣しょうがかりなんだ。」
 「その人はやさしいの?」
とミッシェールはたずねました。
 「かの女は衣しょうがかりさ。」
とカラスが答えました。
 そしてミッシェールをエレベーターのなかにおしやりました。
 なにもかもうまくいきました。エレベーターにのっているあいだ、ミッシェールは、このまま最上階までいってしまい、家の屋根をつきやぶってしまうのではないかしら、と心配でした。ところが大きなカシのなかのエレベーターは、ちゃんと四階でとまりました。
 エレベーターからでると、セレストさんのへやのドアはすぐ見つかりました。そのドアをたたくと、なかからつぶれた声が、こうさけびました。
 「おはいり!」
 へやのなかにはいると、ひとりの年とった女のひとがいました。黒いきぬの服を着て、銀色のかみの毛の上に白いぼうしをかぶっていました。
 「こんちは、おじょうさん、あなたはどなた?」
とその年とった女のひとがたずねました。
 ミッシェールはその女のひとに、カラスから渡された厚紙をさしだしました。そして、「わたしはようせいのミッシェールです。」といいました。
 「わかりました。では、さっそく、あなたのおせわをしてあげましょう。」
 ミッシェールは、このセレストさんのあとについていきました。セレストさんは小さならせん階だんをあがると、ドアをあけました。ドアから出てみると、そこはカシの木のてっぺんにつくられた広い屋上でした。
 その屋上のまわりに見えるものといえば、よくしげっている葉ばかりで、その上には空しか見えません。
 ミッシェールはびっくりして、たずねました。
 「衣類はどこにあるんですか。」
 セレストさんが空のほうを指でさしながら答えました。
 「あそこにありますよ。ようせいが着るドレスは五種類のちがった色のきれでつくるんですよ。五種類の色というのは、まっ青な空の色、白い雲のかかった青空の色、夕日の色・・・・・・これだけだっていろいろの色がありますが、みんなそろっています・・・・・・それから朝日の色と星空の色です。」
 「でも、そういう色のきれをどうやって切るの?」
 「まあ、見ててごらんなさい。あなたはまっ青な空の色がいいですか?」
 「ええ、わたし、雲の色はすきじゃないわ。」
 セレストさんが大声でよびかけました。
 「ジュピテル!」
 すると、ミッシェールが見たこともないような大きなワシがとんできて、ミッシェールたちの足もとにとまりました。
 そのワシに向かって、セレストさんがこういいました。
 「ジュピテル、ようせいのミッシェールさんのために、まっ青な空の色のドレスをつくっておくれ・・・・・・すぐにつくっておくれ。」
 たちまち、ワシはまいあがり、空のかなたに消えてしまいました。が、五分もたつと、ワシはもどってきました。くちばしにきちんとたたんだ空の切れはしをくわえていました。
 ミッシェールは思わずさけびました。
 「まあ!・・・・・・なんてきれい!」
 それまでミッシェールは、この空から切りとったぬのくらい美しいものを見たことがありませんでした。
 そのぬのはたしかに青いのですが、とてもうすい青色でした。ふつうにいうところの白い色はどこにも見あたらないのですが、目には見えないほどうっすらとした雲が、青い空にただよっている感じです。それから、どこにも星は見あたらないのに、なにか目に見えないほどかすかな星がちりばめられてあるようです。
 セレストさんがこういいました。
 「さわってごらんなさい。しめった空気をさわるような感じでしょ。」
 それからセレストさんは、自分のまわりにただよっている空の切れはしをひろげると、それでミッシェールのからだをつつみました。すると、たちまちそれは世にもすてきなようせいのドレスに早がわりしました。からだのわきには三日月のもようがつき、肩のところには星のもようがつきました。
 ミッシェールは、思わず、こういってしまいました。
 「セレストさん、あなた、ドレスをつくるのがとてもじょうずですね。まるで・・・・・・。」
 ここまでいってから、ミッシェールははっと口をつぐんでしまいました。まるでまほうつかいみたい・・・・・・といおうとしたからでした。でも、そんなことをいったら、とてもおぎょうぎが悪いと思ったのです。
 そしてこうたずねました。
 「わたしの羽はどこにあるの?」
 「これからつくるんですよ。でも、それは二番目にすることよ・・・・・・・それよりさきに、はかりにのって、あなたの体重をはからなければならないのよ。」
 「なぜ、そんなことをするの?」
 「ようせいの体重によって、羽の寸法をきめるのよ。あなたのように軽いようせいならいいけれど、もっと太った少女のようせいには、ずっと大きな羽が必要なのよ。」
 はかりが置いてあるへやにいくと、大きなけい示板がかかっていました。それにはつぎのように書いてありました。


体重        羽の長さ
一五キロ・・・・・・0・五五メートル
一六キロ・・・・・・0・五六メートル
一七キロ・・・・・・0・五七メートル
一八キロ・・・・・・0・五八メートル


  はかりではかってみると、ミッシェールの体重は二十五キログラムありました。けい示板に書いてある規則によれば、0・六五メートルの羽をつけなければならないことになります。
 「それでは羽置場へいきましょう。あなた、どんな羽がほしいの?・・・・・・翅置場には、ダチョウの羽でつくったむかしふうの羽と、アルミニュームの骨組みをきぬのぬのでつつんだ新式のとありますけど。」
とセレストさんがいいました。
 「どちらがすてきかしら?」
 「そうね、新式のはずっと早くとべるわね。むかしふうのは、また、ぐっとエレガントですよ。」
 「わたし、早くとべるほうがいいわ。」
とミッシェールがいいますと、セレストさんがためいきをついて、こういいました。
 「やれやれ! 近ごろのようせいは、みんな同じことを考えるのね・・・・・・だから、ダチョウの羽でつくったのが、もう、くさるばかりだわ・・・・・。さ、新式のは、ここにありますよ・・・・・・0・六五メートルの羽・・・・・・一まい羽ですよ。ここには二まい羽のもあるけれど、あなたにはすすめられないわ・・・・・・あなたの年だと、重いから・・・・・・ちょっとおまちなさい、わたしが羽をくっつけてあげますからね。」
 こういうと、セレストさんは二まいの羽を、ミッシェールの肩にとりつけました。つけおわると、あがるときさがるとき、地上におりたものにとまったりするとき、羽をどういうふうに使ったらよいかを説明してくれました。
 「とくに、着陸するときはよく注意するんですよ。」
 「着陸するって、どういうこと?」
とミッシェールはたずねました。
 「地上にとまることですよ。」
 「じゃあ、海の上におりるときはなんていうの?」
 「それは着水といいます。」
 「では、みずうみの上におりるときは?」
 こうきかれると、セレストさんはこまったような顔をしました。
 「えっ! そんなこと、わたし、知りません。やればいいんですよ。言葉で岩魚くったっていいのよ・・・・・・とにかく、そういうときには、羽を半分おりまげるんです・・・・・・それからスピードもおとすんです・・・・・・新米のようせいは、みんな失敗するんですよ。早く着陸しようとするからです。それから町の上をとぶときには、電線にひっかからないように注意するんですよ・・・・・・さて、つぎは、ほら、あなたのまほうの棒ですよ!」
 まほうの棒というのは、木でつくったみじかい棒でした。よく、子どもたちがシャン=ゼリゼ大通りなどでたがまわしするときに使う棒ににています。
 それから、セレストさんは一本のまほうの棒を手にとると、大きなびんのほうへ歩いていきました。そのびんはミッシェールが見たことのないようなびんで、それにはつぎのように書いたはり紙がはってありました。

   『まほうの水』

 セレストさんがこのびんのなかに棒をつっこみますと、やがて棒はガラスのようにとうめいになり、金色にかがやきはじめました。
 セレストさんは、その棒をミッシェールのほうにさし出しながら、こういいました。
 「さあ、これをおもちなさい。これからは、この棒でさわったものはなんでも、あなたの思いどおりのものになりますよ。」
 ミッシェールがたずねました。
 「この棒はこわれやすいの?」
 「いいえ、こわれませんよ。」
 「じゃあ、わたし、この棒を使ってみていいかしら?」
 「もちろんですとも。」
 「わたしには、おとうとがふたりいます。そのおとうとたちのために、おとながのる自動車と同じように走る小さい自動車がほしいんです。もちろん、エンジンのついた、ほんものの自動車ですわ。」
 「いいですとも。棒で地面に、ほしいと思う自動車の絵をかいてごらんなさい・・・・・・。」
 「そしたら、自動車が地面から出てくるの?」
 「いいえ、地面から出てくるのではありません。絵をかけば、もう、そこに立っています。とてもかんたんなんですよ。」
 「そんなことってあるかしら?」
とミッシェールは、信じられないという顔をしました。でも、セレストさんは、笑いながら、
 「まあ、やってごらんなさいな。」
というばかりです。
 そこでミッシェールは、まほうの棒のさきを地面におしあてました。そして赤いすてきな自動車を思いうかべながら、そのりんかくをかいてみました。
 すると、どうでしょう。自動車は地面からでてこないで、気がついたときには、もう目の前におかれてあったのです。
 ミッシェールは、うっとりして、思わずさけび声をあげました。
 「わあ!すてきだわ! この自動車をまほうの果じゅ園にもっていってもいいかしら?」
 ところが、セレストさんは首を横にふりました。
 「それはだめです。まほうの果じゅ園へは、空をとんでいくのです・・・・・・だから、こんな大きなものをもっていくわけにはいかないのですよ。でも、だからといって、がっかりすることはありません。だって、まほうの果じゅ園へいけば、そんな自動車ぐらい、そのまほうの棒をつかって、なん台もつくることができるんですもの。」
 ミッシェールは、ちょっとかなしそうな顔をしていいました。
 「そうね。でも、これと同じものがつくれるかしら? それで、わたし、いつ出かけるんですか?」
 「今からすぐに出かけるのです。出発する場所へご案内しますわ。」
 
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『わがままいっぱいの国』 第2章 でたらめカラス

2012.01.16 (Mon)

第二章  でたらめカラス


 ミッシェールには、ラクダの旅行が、とても長く思えました。たぶん、二時間か三時間かかったでしょう。それから砂ばくのまんなかに、木立が見えてきました。つぎに、はるか遠くに、黒いしみのような林があらわれ、それはだんだん大きくなりました。
 ラクダが森の入り口でとまりました。ミッシェールがラクダからおりると、モミの木にくぎづけにされたけい示板が目にとまりました。それにはつぎのように書いてありました。


まほうの果じゅ園

  ご用のかたは、門番のでたらめカラス氏にもうし出てください。

 もっと近くによってみると、モミの木の皮が一部分切りとってあり、そこに小さなまどがあいていました。それは駅やげき場などにあるまど口とそっくりでした。ミッシェールは、そのまど口をたたいてみましたが、だれも返事をしませんでした。もう一度、前よりも強くたたいてみました。すると、やっと、
 「はい、はい。ただいま、ただいま・・・・・・」
という声がきこえました。
 それから、まどがひらいて、一羽の年とったカラスがあらわれました。くちばしの上にめがねをのせ、黒いラシャのまるいぼうしをかぶり、黒いアルパカの小さな上着を着ていました。
 ミッシェールはたずねました。
 「あなたがでたらめカラスさん?」
 カラスが答えました。
 「さあ、どうだかね。」
 これをきくと、ミッシェールは、思わず、こういってやりたくなりました。
 (うそいったってだめよ。第一、あんたの羽は・・・・・・)
 でも、そんなことをいってカラスをおこらせては、と思ったものですから、ただ、こういうだけにしました。
 「カラスのおじさん、わたし、なにがおこったのか、さっぱりわからないの。わたしは両親の家にいて、ベッドにねていたの。ところが、とつぜん、砂ばくのまんなかにほうりだされてしまったの・・・・・・それから、石でできている年とった男のひとに会ったわ。そのひとは、わしはファラオ王だといって、わたしにまほうの果じゅ園にいけってすすめたのよ・・・・・・それから、わたしはラクダにのって・・・・・・そして、ここにきてしまったんだけど、もう、どうしていいかさっぱりわからないの・・・・・・この森のなかに入れてくれるかしら?」
 カラスは、はなの上でめがねの位置をなおすと、ミッシェールをじっとながめました。
 やがて、こういいました。
 「といわれてもこまるな・・・・・・あんた、ようせいかね?」
 「わたしがようせいだって!いいえ、ちがいます、カラスのおじさん。」
 「そりゃ、こまったな。このまほうの果じゅ園にはな、ようせいしかはいれないんじゃよ。で、あんたはようせいになりたいのかね?」
 「そういわれれば、なりたいけれど。でも、わたし、なれるかしら?」
 カラスが羽をものすごいいきおいでばたつかせながら、いいました。
 「なれるだろうよ。なれると思うがねえ・・・・・・でも、それにはちょっとしたテストを受けてもらわにゃならんよ。」
 ミッシェールはびっくりしてさけびました。
 「なんですって!ようせいになるのには、テストを受けなければいけないの?」
 「だと思うね。わしがだす三つの問題に答えなければならない・・・・・・わしが、満足するような答えかたをしたら、ようせいとして認めてあげよう。あんたの答えに、わしが満足しなかったら、あんたは、またラクダの背なかにのって、砂ばくのなかに消えなければならん・・・・・・さて、用意はいいかね?」
 ミッシェールは、とてもあわててしまいました。自分が知っていることをみんな思いだそうとするのですが、頭のなかがまるでからっぽなのです、かの女は考えました。
(ひょっとして、ファラオか砂ばくのことをたずねられたら、うまく答えられるかも知れないわ。だけど、フランスの歴史のことをきかれたら、どうしよう・・・・・・。)
 そこでミッシェールは、胸のなかでそっと、つぶやいてみました。
(ゴール人はキリスト教を信じていなかった・・・・・・かれらは、火と、太陽と、かみなりが大すきだった。)
 でたらめカラスが、一冊の小さな本をひらきました。それからめがねをはずして、そのレンズをふくと、カア、カア、カアと三度ないて声のとおりをよくしてから、こういいました。
 「まず第一は算数。八かける六はいくつかね?」
 すかさず、ミッシェールは答えました。
 「五十四。」
 「たしかかね?」
 「まちがいないわ・・・・・・これで、いいんでしょ?」
 「だろうね。」
とでたらめカラスがいいました。
 「なんですって!だろうねですって?・・・・・・失礼ですけれど・・・・・・あなたも知らないの?」
 するとカラスが、おごそかにこういいました。
 「おじょうさん、わしがここにいるのは、質問するためであって、質問に答えるためではないってことを、わしに忘れさせようっていうのかね。」
 そして歌うようにこうつぶやきました。

  『それに、まほうの果じゅ園にきたからにゃ、八かける六は思いどおりの数になる』

 つぎに、カラスは第二問めにうつりました。
 「それでは、こんどは書きかた。『ニワトリごや』ということばはどう書くかね?」
 ミッシェールは答えました。
 「それは、かんたんだわ!ニ、ハ、ト、リ、ご、や、って書くのよ。」
  かの女は、うまく答えられたと思うと、とてもほこらしい気持ちになりました。それで、いばってこういいました。 「これでいいんでしょ?」
 でも、でたらめカラスは、あいかわらず、こういっただけでした。
 「だろうね。」
 それでミッシェールは、つい、こう口にだしてしまいました。
 「こんなことなら、どんな質問されたって、答えはかんたんね。」
 しかし、でたらめカラスは、おごそかに、質問をつづけるだけでした。
 「そうかといって、テストをかえるわけにはいかない。さてこんどは、わしになにかぐう話を話してくれんかね?」
 すかさず、ミッシェールは答えました。
 「いいわよ・・・・・・わたしは、『カラスとキツネ』っていうお話を知ってるわ。」
 とたんに、でたらめカラスが、そっけなくこういいました。
 「その話は、わしはすきじゃないな。」
 「じゃあ、『セミとアリ』ってのは、どうかしら?」
「それがいい。話してごらん。」
  でも、ミッシェールはそのお話を思いだすのに時間がかかりました。が、ともかく、話しはじめました。
 『セミは夏じゅう歌っていましたが、冬になって、たべものがなくなってしまいました。
 アリが「あついうち、なにをしてた?」
と、たべものをかりにきたセミにききました。
 それから、アリは、こうききました。
 「おどれるかい?」
 「よろこんでおどりますよ。」
 「そりゃ、けっこう。じゃ、歌ってごらん。」

 話しおわってから、ミッシェールはいいました。
 「わたし、最後のところの文句をちょっと忘れてしまったらしいわ。」
 でも、カラスは平気な顔をして、「それは気づかなかったな・・・・・・とにかく、わしはその話がすきだよ。」
 「わたしもすきよ。だって、みじかいんだもの。」
 「そりゃ、いい趣味だな。わしとおんなじだ・・・・・・それでは、あんたの名前をようせいの名ぼに書きこんであげよう。ときに、あんたの名前はなんていうのかね? それから、どんなかたがきをもっているのかね?」
 「それ、どういうこと?」
と、ミッシェールはたずねました。
 「つまりだ、あんたはどういう名前でよばれてるかってことだよ。」
 「ミッシェールよ。」
 「年はいくつだね?」
 「七さい。」
 「きょうだいはあるかね?」
 「おとうとがふたりに、おねえさんがひとり。」
 「成績はクラスで何番かね? たまには、一番になることもあるかね?」
 「一番だなんて、一度だってなったことないわ!」
 こういうと、カラスは安心したようなようすをしました。
 「それでは、あんたの名前を少女ようせいの名ぼに書きこんであげよう。」
 カラスは、そばにあった厚紙を手にとり、くちばしの上のめがねをしっかりかけなおすと、厚紙になにか書きはじめました。書きおわると、その厚紙をミッシェールのほうにさし出しました。
 でたらめカラスの字は、とてもきれいでした。それでミッシェールも、らくらくと読むことができました。厚紙にはつぎのように書いてありました。


 『第二級のようせい、ミッシェール嬢に、まほう王国全土の通行をゆるしこの国で、三万六千のわがままをすることをきょかするものである。
女王陛下に                     門番でたらめカラス』
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『わがままいっぱいの国』 第1章 ミッシェール

2012.01.16 (Mon)

この児童文学は私がちょうど小学4年生くらいのときに読んだものです。とても気に入っていた本で何回も読み直したのを覚えています。おとなになって自分の子供に読ませたいと思ったときにこの本を手に入れようと思っても売っていません。
そこでフェリシモの「赤木かんこさん」という本の探偵さんに調べていただきました。廃刊になっていました。
とても悲しいけど諦めきれず、でも日々の生活に追われているうちに少し忘れかけていました。
が、また思い出して今度はネットを駆使して検索しました。そして、あるかたのHPにたどり着きました。その方にメールを出して聞いてみると埼玉県の図書館で貸し出しているとのこと。そこでそちらの図書館に問い合わせました。
そこでのお返事は、「送ってもいいですが、個人宛には送れない」とのことで、「奈良県立図書館でとりあえず聞いてください」とのことでした。
喜び勇んで県立図書館へ。結局埼玉ではなく京都の図書館から送っていただくことになりました。当然送料もこちら持ちです。そのうえ、かなり痛んでいるので丁寧に取り扱ってくださいとのお達し。
はたして手に入った本はかなり外れかけてボロボロになっていました。それを大事に取り扱いそのままをワードで打ち直して、CDに保存しました。挿絵までは再現できなかったのが残念。
関わってくださったたくさんの方に感謝します^^

WEB上でこのような形で公開するのは本当はなにかにひっかかるのでしょうが、もしこの本を読みたいと思ってくださる方の役にたてば・・・と思います。でも、もし不都合があれば連絡ください。

今までもHPで載せていたのですが、1年に1回くらい「読めて嬉しかった」とメールをくださる方がいます。
HPは私になんらかの不幸があって料金を払えない場合消失してしまうので、
ブログに載せておこうときめました。


第一章  ミッシェール


 「ファラオ王はゆめを見ていました。まるで、ナイル川のほとりにいるようなここちでした・・・・・・ふとった牛が七頭、川から出てきました・・・・・・」
と、オリビエが声をはりあげました。
 すると、ミッシェールが、こういいました。
 「おだまり、オリビエ。わたしぐう話(ためになるたとえ話)をおぼえようとしてるのよ。あんたにしゃべられると、読んでることがわからなくなるわ。」
 そして、ミッシェールは、また本を読みはじめました。
 「・・・・・・くちばしで、チーズをひときれくわえました。」
 つぎに、ジェラルドが声をはりあげました。
 「砂ばくは、草木のはえていない土地がはてしなくひろがっているところです・・・・・・火山は、ふん火口とよばれる口から、ほのおとよう岩をふきだしている山のことです・・・・・・。」
 すると、ミッシェールがまたさけびました。
 「おだまりったら、ジェラルド。わたし、ぐう話をおぼえてるんだって、いったでしょ。『・・・・・・くちばしで、チーズをひときれくわえて・・・・・・』」
 ああ、だめです。あす、ミッシェールは、授業のとき、ぐう話を話すことができないでしょう。そして、ビュバール先生は、とてもおおこりになるにちがいありません。ほんとうに、このふたりの少年は、がまんならない子どもたちです。おまけに、ミッシェールは、ぐう話をおぼえようという気持ちが、あまりありませんでした。それよりも、引き出しのなかを整とんしていなあ、と思っていました。ミッシェールは、布きれをたたんだり、ふるいメニューやプログラムをよりわけたりしたかったのです。
そのとき、おねえさんがきて、子どもたちにいいました。
 「さあ、おやすみなさい。」
 でも、オリビエは、あいかわらず読みつづけています。
 「ファラオ王はゆめを見ていました。
 まるで、ナイル川のほとにいるようなここちでした・・・・・・。」
 ジェラルドも、
 「砂ばくは、草木のはえていない土地が・・・・・・。」
 ミッシェールも、
 「くちばしで、チーズをひときれ・・・・・・。」
 おねえさんが、両手をならしながら、さけびました。
 「三人とも、おやすみったら。さあ、いそいで。」
 でも、ミッシェールはふまんです。おねえさんに口ごたえをしました。
 「おねえさん、わたし、ねむくないの。ねたくないのよ。」
 しかし、おねえさんはゆるしませんでした。
 「わがままいうんじゃないの。さ、ねなさい・・・・・・。」
 ミッシェールは、かなしそうに、服をぬぎました。
 思えば、たいくつな一日でした。夕はんのまえに、ミッシェールは、人形に着せてやるドレスをつくるかわりに、年とったおばさんにあてて、お礼の手紙を書かなければなりませんでした。
 夕はんのあいだも、ミッシェールは、とてもたのしいと思ったお話をしたかったのですが、お友だちをしょうたいしていたパパは、ミッシェールに、静かにしておいでといいつけて、選挙のお話ばかりしていました。
 夕ごはんがすむと、ミッシェールは、ぐう話をおぼえたいと思ったのですが、こんどは、ふたりのおとうとが、じゃまをしました。 そして、今また、ミッシェールは、むりやり、ベッドへ追いやられてしまったのです。もし、おとなが、こんなふうに命令されたら、きっとはらを立てたでしょうに。
 ミッシェールは、ベッドに横になりながら、こう思いました。
 (ああ! なんでも、わがままができる国があったら、いいのになあ・・・・・・)
 それでもひやりとつめたいまくらに頭をあてると、ミッシェールはなんとなく、たのしい気分になってきました。すると、あすの授業のことを考えても、すこしもこわくなくなりました。
 でも、きっと、イボンヌ・ルフェーブルは、ぐう話をよくおぼえていて書き取りでも満点をとるでしょう。イボンヌがいつも一番になるってことは、やはり、しゃくにさわることでした。
 ミッシェールだって、よく勉強するのですが、ときどき、ぼんやりしていることがあるのです。それに、つい、引き出しのなかを整とんしたくなり、勉強などは、そっちのけにしてしまうのでした。
 ミッシェールは、ながいあいだ、目をあけていました。たぶん、十分くらいだったでしょう。それから、ひとすじの光が、パパとママのへやから、ドアの下をぬけて、さしこんできました。その光はふとくなり、やがて太陽になりました。
 と同時に、ベッドの白いかけぶとんが砂におおわれてしまいました。気づいてみると、ミッシェールは、草木が一本もはえていない、広い広い土地のなかで、ひとりぼっちで立っていました。
 (あら! これ、砂ばくじゃないの!)
とミッシェールは思いました。そして、まわりを見まわしました。
 見わたすかぎり、目につくものをいえば、かなり高い砂の山ばかりでした。そこは、ま昼の太陽にてらされた岸べのようでしたが、海はありませんでした。白くかがやいている砂は、かわいていて、こねることができません。それに、ミッシェールは、バケツもシャベルももっていませんでした。
 ミッシェールは考えました。
  (ここから、できるだけ早くでなきゃならないわ。でないと、わたし、すぐにおなかがすき、のどもかわいてしまう。もっと向こうにいけば、きっと道路ひょうしきが見つかるわ)
 十五分も歩くと、遠くのほうに砂丘が見えてきました。その砂丘はてっぺんがへこんでいて、煙をふきだしていました。
 ミッシェールはさけびました。
 「あら、火山だわ! ふん火口っていう口もついてる。」
 近づいてみると、もえるようなよう岩が、山のなかほどになにか字を描いているのが見えました。ミッシェールは、それを一字一字読みました。それはつぎのように書いてありました。


 なんでもわがままのできる国
     ―――――・――――
          まほうの果じゅ園
              二四六六キル


ミッシェールはびっくりして、心のなかでつぶやきました。
 (キルだって? これ、キロメートルのことかしら、それともキログラムのことかしら? これじゃ、わからないな・・・・・・せめて、おまわりさんでも見つかればいいんだがなあ・・・・・・)
 それまで、ミッシェールが道にまよったりしたとき、おとなはいつも、おまわりさんにききなさい、といったものでした。
 さて、そんなことを胸のなかでつぶやいていると、もの音がきこえてきて、ひとりの見なれない男がやってくるのが目にはいりました。男は両うでを前につきだし、手のひらを立てて、歩いています。とても、細長いぼうしを頭にのせていますが、そのぼうしはまるで石でつくってあるみたいでした。男はいつも顔をそむけていましたので、横顔しか見られませんでした。
 ミッシェールが近よると、男がこうつぶやいているのがきこえました。
 「白いにわとりが三羽と黒いにわとりが三羽。ああ! なんていうゆめだ! ああ! なんていうゆめだろう!」
 「おじさん!」
とミッシェールは大声でよびかけました。
 すると、その年とった男がおごそかな声でこう答えました。
 「わしのことは、ファラオ王とよびなさい。」
 「では、ファラオ王さま。わたし、道にまよってしまったのです。」
 男が肩をすくめて、こういいました。
 「ここから五分歩いていったところに、ラクダののり場がある・・・・・・そこに、ふとったラクダが七頭と、やせたラクダが七頭いる・・・・・・おまえがわしの見たゆめの説明をしてくれるのなら、ラクダのいるところまで案内してやってもいい。」
 「どんなゆめを見たの?」
とミッシェールは、火山のふもとにこしをおろしながら、おそるおそるたずねました。
 「それはこうだ。まず、わしの宮殿にある、ピンク色の大理石の大階だんが見えたのだ・・・・・・。」
 「大理石ですって? それ、なんですか?」
とミッシェールがたずねました。
 ファラオ王がまた肩をすくめて、答えました。
 「石のことさ。でも、そんな質問をしてはいかん。おまえがわしに説明する役なんだからな・・・・・・そこで、この大階だんの上に白いニワトリが三羽いるのが目にはいったんだ。そいつら、ぴょんぴょんとびながら歩き、とうとう階だんのてっぺんまでのぼりつめると、わしの宮殿のなかにはいってきてしまった・・・・・・というのが、わしの見たゆめなのさ。このゆめには、どんな意味があるのだろうね?」
 ミッシェールは、こんなことをきかれて、すっかりこまってしまいました。しばらく考えこんでしまいました。ミッシェールの考えでは、こんなゆめはなんの意味もなかったのですが、それをファラオ王にいう勇気はありませんでした。なぜなら、そんなことをいって、ファラオ王をおこらせてはたいへんだと思ったからです。
 そこでミッシェールは、なんとかファラオ王をよろこばせてやる方法はないものか、と思いました。
 とうとう、ミッシェールはこういいました。
 「それはね、おじさんにまず三人の白い子どもができて、それから三人の黒い子どもができるっていうことだと思うわ。」
 「なんだって?・・・・・・あ、そうか、ありがとう。」
とファラオ王がいいました。なにか大きな心配ごとがなくなったみたいなようすでした。
 そしてファラオ王は、ミッシエールを案内して、ある砂の山をぐるりとまわると、左のほうにのびている小道を歩いていきました。
 歩きながら、ファラオ王はミッシェールにこうたずねました。
 「ねえ、今、わしたちはゆめを見ているんだろうかね?」
 「さあ、わたしにはわからないわ。わかっていたら、すぐゆめからさめて、それからもうゆめなんか見ないわよ。」
 「なんだって?あ、そうか、それはありがとう。」
 まもなく、ミッシェールは、ラクダのむれがじゅずつなぎに長い列をつくって、うずくまっているのをみとめました。
 「ずいぶん年とってるし、それにずいぶんきたないラクダね。でも、ぎょ者はどこにいるのかしら?」
 「ぎょ者だって?・・・・・・おまえがぎょ者になるのだよ。」
 「じゃあ、もし、わたしがこなかったら、ラクダたちはどうするの?」
 「そのときは、ぎょ者などいらないだろうね。さ、列のいちばん先頭にいるやつのたずなをとりなさい。ラクダってやつはとてもしっと深いから、ならんでる順にのってやらないとだめなんだ。背なかにのったら、右の耳を下にさげておやり。それで、おまえにのるよっていう合図になる。それから、『まほうの果じゅ園へいけ!』というがよい。」
 「まほうの果じゅ園へいくよりか、おうちにかえったほうがいいわ。」
とミッシェールはいいました。
 でも、ファラオ王はききませんでした。
 「いや、いや。まほうの果じゅ園へいったほうがよい。それは、すばらしい国でな。したいと思うことはどんなことでもできる国なんだ。」
 「したいと思うことはなんでもできるんですって?一日じゅう、あそんでいたっていいの?マロングラッセをつづけざまにいくつもたべていいの?夜なかにねてもいいの?」
 「そうだとも。したいことはなんだってできるのさ。」
 それからファラオ王は、悲しそうにそっとこういいました。
 「だから、まほうの果じゅ園では、みんなゆめを見ないんだよ。」
 「とにかく、まほうの果じゅ園へいってみることにするわ。」
とミッシェールはいいました。
 ミッシェールは列の先頭のラクダにのると、前にかがみこんで、ラクダの右の耳を下にさげてやりました。でも、その耳は土によごれてかさかさになっているので、なかなか下にさがりませんでした。
 それでも、やっと下にさげてやってから、ミッシェールは、いわれたとおりにさけびました。
 「まほうの果じゅ園へいけ!」
 すると、ラクダはようやく立ちあがり、やがてのろのろと歩きだしました。そのとき、ファラオ王が、
 「みどりのトラが四頭に、青いトラが四頭・・・・・・。」
とつぶやくのがミッシェールの耳にきこえました。
 ミッシェールは、
(また、へんなゆめの説明をするなんて、まっぴらだわ。)
と思いました。
 でも、さいわい、ラクダのスピードは早くなり、ミッシェールはファラオ王を見うしなってしまいました。それにミッシェールは、いろいろなことを考える余ゆうがありませんでした。なぜなら、ラクダのくらの上はとてもすわりごこちが悪く、今にも落ちそうだったからです。
 ラクダが走るにつれて、背なかのミッシェールは、まるで海の波にゆすぶられる船のように、上にもちあげられたり、下におろされたりしました。
 今、ミッシェールが走っている土地はものがなしく、まわりには、見わたすかぎり、白い砂が光っているだけでした。
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萩の月

2012.01.13 (Fri)



主人が仙台から帰るときに買ってきたお菓子。

優しいカスタードのクリームで、なんだかほんわかするお菓子です。
大きさはけっこう大きい~♪

次は、『かもめの卵』をお願いします(笑)

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成人の日

2012.01.09 (Mon)



さぁやの成人式。
天気はまずまず、寒さもまぁまぁ^^
朝7時に美容院へ。
お迎えは9時前~。

綺麗に着付けとメークをしてもらって、
問題は何時まで晴れ着に耐えられるか?ってこと。
でも、上手に着せてもらって、全然しんどくなかったそうで。
ただ、左上の面白いポーズは、
夕方さすがに晴れ着に疲れて運動をするさぁや・・・ってことです(爆)


美容院からいったん家に帰って撮影会(笑)をし、10時には車で会場へ。
めっちゃ混むって聞いてたけど、1時間前に活動始めたのでスイスイ。
友達のシマちゃん(写真左下)と合流するまで一緒にいてあげる~と私も駐車場から会場へ。
中学校の友達とも会ったよ^^

英語のH口先生とこも同い歳だったんだねぇ、お嬢さん可愛かったわ^^
会場外で出会って、娘を待つ間、立ち話。


帰りは別の友達を「乗っけてあげて~」というので、Mちゃん(写真右上)も一緒に我が家で昼ごはんを食べて、次のイベント、タイムカプセル掘りに♪

それにしても、さぁやも160cm近くあるんだけど、お友達が皆でかいので小さく見える(笑)


page-seijin3.jpg

4年1組だけじゃなく、卒業時の担任の先生、幼稚園のときの先生も集まってくれて、
生徒も大勢集まって、大賑わい♪
カプセルは写真通りに、ちょっと悲惨な状況に(笑)
でも、皆大満足だったのでした。
男子が多かったので、穴掘りも順調に進んだし、その間に記念撮影もいっぱいできたし^^

わた兄も久しぶりに喋ったよ~。
「うちのオカン(=みーこちゃん)来ないんですか?」
って聞かれたし(爆)
で、みーこちゃんに連絡したらニトリまで行ってた^^;
だけど、戻ってきて間に合って、わた兄とのツーショットも撮ってもらってたな。

サンクスやコープでバイトしてる180cm超えのMくんとOくんと喋ったときは、首痛かったー。
けど、皆、可愛いや~^^
女の子は綺麗やったし♪
先生とも会えて喋れて記念撮影できて、本当に本当に良かった。

とってもいい成人の日でした。

etc 015-1
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ARASHI LIVE TOUR Beautiful World

2012.01.05 (Thu)

昨日は最高の気分でした。
犬夜叉が朝早く旅立って寂しかったけど、でも、夕方には嵐に会えたから復活♪

夢のような3時間だったな~♪
松潤がね!!!もう、可愛いやら超セクシーやら、凄くて!!!!!
席も今回はスタンドのけっこう前のほうだったので、肉眼でも20cmくらいのサイズには見えた!(爆)
ニノがけっこうやってきてくれたサイドだったので、娘っ子たちは大喜び♪

MCは、元旦の過ごし方についてでした。
おーちゃんは、相変わらず家族でビンゴ大会。
松潤は実家に帰って両親にお年玉あげて、何故か遊びに来てた友達に会ったらしい。
ニノは実家に帰って、ばーちゃんとこも行って^^
相葉ちゃんは、ばーちゃんとこに親戚集まって、弟くんとこに子供が生まれたし、赤ん坊がけっこう居てあやしてたらしい。
翔ちゃんは、買い物に出かけたら時間かかってトイレに行きたくなったから実家に寄って。弟にお年玉あげたら「サンキュー」って喜んだとか。
そんな話。

あ~~~、毎日嵐のコンサート行きたいな~(笑)
50歳でもずーーーっと立ちっぱで、ペンラ片手に踊りまくってきました。
まだいける♪^^v

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Happy New Year 2012

2012.01.01 (Sun)



あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

皆さまにとって幸多き1年になりますように

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